野ボール横丁BACK NUMBER

令和の甲子園で最も愛された男…近江・山田陽翔が語る“冷静な自己評価”「今の自分のレベルで、それを言うのはおかしい」 

text by

中村計

中村計Kei Nakamura

PROFILE

photograph byNumber Web

posted2022/10/19 17:03

令和の甲子園で最も愛された男…近江・山田陽翔が語る“冷静な自己評価”「今の自分のレベルで、それを言うのはおかしい」<Number Web> photograph by Number Web

甲子園を湧かせ、主役級の活躍を見せた山田陽翔(近江)。ドラフトを直前に控えた今、近江で過ごした3年間とプロへの思いを聞いた

「令和に入って、近江がいちばん勝っている」

――今、最高球速は149キロとのことでしたが、1年夏にはもう145キロが出ていたそうですね。

山田 146キロ出ていました。ただ、1年生のときは平均球速は130キロ台後半くらい。それで2年夏に140キロ台に乗って、3年夏には140キロ台の中盤までいった。平均球速はかなり成長したのかなと思っています。

――高校卒業と同時にプロに行きたいとずっと思い続けていたのですか。

山田 1年夏の独自大会は優勝したんですけど、続く秋は、近畿大会の1回戦で負けてしまい選抜を逃したんです。そのときにプロプロ言ってる場合やないなと思いました。僕の場合、甲子園で勝つことが最大のアピールになる。才能のある選手は甲子園に出なくてもドラフトにかかると思うんですけど、僕の場合は、(投打)どちらも中途半端というか、そこまで突出しているわけではない。だからこそ、甲子園に立たなければならなかった。なので、勝てるチームにすることをいつも最優先に考えていました。

――おそらく昨年夏からこの夏にかけて、われわれが甲子園でいちばんたくさん観たのが山田君でした。昨年夏はベスト4、この春は準優勝、そしてこの夏もまたベスト4。15試合戦って、12勝3敗です。

山田 令和に入ってからは、近江がいちばん勝っているんじゃないですか。大阪桐蔭が2番目だと思います。いちおう、調べてみてください。たぶん近江がいちばん勝ってます(編集部注・大阪桐蔭は9勝で2位)。

――おそらくいちばん愛されたチームだったし、いちばん愛された選手だったと思いますよ。多賀章仁監督いわく、山田君は、学校では先生方や一般生徒からも大人気だそうで。

山田 ありがとうございます。でも、高校野球のいちばんの魅力である全力プレーができているからこそ、そういう風な後押しもあったんじゃないですかね。高校野球は気持ちでどうにでもなるところがあるんで。

――2年夏は、あの大阪桐蔭にも勝ちましたからね。

【次ページ】 「甲子園はさらに継投の時代に」

BACK 1 2 3 NEXT
近江高校
山田陽翔
高松商業高校
多賀章仁

プロ野球の前後の記事

ページトップ