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「クボは〈Velocidad〉」「メンデスもクボも…」久保建英vs古巣撮影後、現地カメラマンやソシエダサポの率直な感想を聞いた
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2022/10/13 17:01
20-21シーズンに所属したビジャレアル相手に奮闘。ダビド・シルバらとの連動もあって、久保建英はソシエダで好調を維持している
久保のプレッシャーとメリノ→メンデスの鮮やかな一撃
それでもソシエダはダビド・シルバが、ビジャレアルは10番のパレホがそれぞれ中盤でタメを作っては、仲間を押し上げて好機創出を狙った。プレッシャーを受けてもボールを取られない――リーガを象徴するようなMFのプレーは見応えのあるものだった。また両監督ともに、ポジションやパスの方向性など、かなり具体的な指示を送っている様子が見てとれた。
その中でソシエダはいずれかのサイドバックを押し上げると、そのポジションにシルバが流れてフリーでボールを受けることによって、ポゼッションで相手を上回りはじめた。そして久保は、すでに代名詞になりつつある相手GKへのプレッシングから、チャンス寸前の場面まで持っていった。
その直後には、久保のプレッシャーによってリズムを乱したのか、ルジのパスミスからブライス・メンデスが大きなチャンスを作った。
さらには、ボックス内狭い局面でシルバのダイレクトパスに久保が見事な反応でボールをコントロールしてシュートと、徐々にソシエダの好機が増えていったが、そこに立ちふさがるのは、スペイン代表CBのパウだった。
ソシエダの攻撃が実ったのは、33分、変則的なCKにビジャレアルのクリアが中途半端に。そのボールをメリノがダイレクトでライン裏に放り込むと、キッカーだったメンデスが滑り込みながらも冷静にGKの股下を抜いてゴールを揺らした。
FKではメンデスとの“話し合い”も
1-0で迎えた後半も、ソシエダの攻勢が続いた。
開始早々、久保がサイドから両CB、パウとアルビオルをかわしてドリブルから鋭いクロスを供給する。シルバがダイビングヘッド、またファーサイドでセルロートも詰めていたものの、わずかに届かなかった。
ビジャレアルがDFラインから攻撃を組み立てる際には、久保とシルバも全力でプレッシングをかけ、相手に主導権を渡さなかった。
後半も中ごろに入ると、久保の中央突破をファールで止めたアルビオルがイエローカードを受けている。その際のFKの場面は、メンデスがボールをセットし蹴るように思われたが、久保がシュート。直前には、どちらが蹴るかを話し合う姿も見られた。
この頃には、勝利が意識された会場のボルテージも最高潮に達しようとしていたが、逆に前線からのプレスをかわされて、ビジャレアルが攻勢に出る機会も増えてきた。