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「真凜のことを応援している人はたくさんいるんだよ」1年前、孤独だった本田真凜を支えた存在とは?「とにかく自信をくださる先生で…」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2022/10/04 20:00
東京選手権で総合8位となり、東日本選手権に進出した本田真凜。現在、どのような思いで競技に取り組んでいるのか…?
「『今日もよかった』とすごい言ってくださったので、『練習でもっといいのができているんです』と。もっとできるというのを皆さんにも先生にもお見せできたら」
宮本とのエピソードを聞くとき、思い浮かぶのは浅田真央だ。
昨シーズン、12位で終えた東京選手権は葛藤が生まれた大会だった。
「一体、私は誰のために滑っているか。それが分からなくなって、ずっと、私を応援してくれる人なんて本当はいないんじゃないかと考えていました」
真凜は元気かな?
そのとき手を差し伸べたのが浅田だった。「真凜は元気かな?」と連絡をくれると、時間をかけて話をし、練習も見てくれた。
心に残ったのは、あたたかい言葉だった。
「私も含めて、真凜のことを応援している人はたくさんいるんだよ」
それを機に、練習への取り組みがかわったという。
「一般滑走に行って、周りのお客さんと1時間以上回ったり、1日に6時間ずっとリンクにいました」
浅田の言葉を支えにし原動力に変えた。
とにかくたくさん自信をくださる先生
宮本もまた、支えと言っていいかもしれない。練習での様子を、本田はこう明かす。
「とにかくたくさん自信をくださる先生で。1つの動きについても何分間もほめてくださる先生です」
浅田や宮本に限らず、フィギュアスケート界の中に、本田に対するあたたかい眼差しを注ぐ人々はほかにもいた。それを得られるのは本田の1つの財産であり、そしてそれは本田真凜だからだろう。