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「真凜のことを応援している人はたくさんいるんだよ」1年前、孤独だった本田真凜を支えた存在とは?「とにかく自信をくださる先生で…」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2022/10/04 20:00
東京選手権で総合8位となり、東日本選手権に進出した本田真凜。現在、どのような思いで競技に取り組んでいるのか…?
「よくなかったです。出だしは練習通りだなと思ったんですけど、1つ失敗したあとに、どうしようとなってしまうのがよくないところだなと思いました。呼吸の仕方も、練習のときと違うというか、ずっと吸ってしまって、落ち着いて、自信を持って演技するのが必要だと思いました」
取材の場では、笑顔ではあったが、やはりどこか悔いを思わせた。その理由の1つとして挙げられるのが、試合へ向けて一定の手ごたえを持っていたということだ。
練習もここ2、3年ではいちばんよくできているので
「練習もここ2、3年ではいちばんよくできているので」
だから、それが出せなかったことに悔いが残った。
もう1つは、期待に応えられなかったという思いだ。フリーを振り付けたのは宮本賢二。日本を代表する振付師の1人だ。
「小さいときからよく知っている先生というか、仲良くしていただいていました」
宮本が「この曲が似合う」と持ってきたのが『ムーラン・ルージュ』だった。数々の名スケーターが用いてきた曲でもある。
「(宮本)先生に説明いただく前からいろんなスケーターが滑っているのを見て、テッサ(・バーチュ)さんとスコット(・モイア)さん(バンクーバー、平昌五輪アイスダンス金メダル)のが好きで、アシュリー・ワグナーさん(2016年世界選手権銀メダル)とかも好きで、また違った良さを出せたらいいなと思います」
練習でもっといいのができているんです
よいものにしたいという思いがあるから、この日駆けつけた宮本とこんなやりとりがあった。