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羽生結弦プロ転向後の”3強争い”に名乗りをあげた島田高志郎(21歳)新たに師事したのは、羽生を指導していたあのコーチだった!

posted2022/10/05 17:01

 
羽生結弦プロ転向後の”3強争い”に名乗りをあげた島田高志郎(21歳)新たに師事したのは、羽生を指導していたあのコーチだった!<Number Web> photograph by AFLO

東京選手権で優勝した島田高志郎(左)とジスラン・ブリアンコーチ

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野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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 フィギュアスケートの全日本選手権への道が、いよいよスタートした。日本男子は、羽生結弦(27)のプロ転向後の「トップ3」をめぐる争いの火蓋が切られたことになる。中でも大激戦となった東京ブロック(9月30日~10月2日、東伏見)は、羽生の元ジャンプコーチのジスラン・ブリアンを帯同した島田高志郎(21)が、4回転に手応えを得て優勝を決めた。三浦佳生(17)、佐藤駿(18)らの4回転ジャンパーに加え、トロントで羽生と同門だった西山真瑚(20)が3位に入るなど、新世代の下剋上があらわになる大会だった。

羽生のプロ転向後の男子「3枠」争い

 今季、日本男子はかつてない熱い戦いが予想される。昨季までは、羽生、宇野昌磨(24)、鍵山優真(19)の3強が、五輪など主要大会の「3枠」争いをリードする状況だった。しかし今季は、羽生のプロ転向により、「第三の男」にチャンスが回ってくる。全日本選手権で表彰台に乗り、世界への切符を自らの手で掴もうと、各選手がオフシーズンからさまざまな戦略を練ってきた。

 なかでも有力選手が集中する東京ブロックで、ひとつ抜けた演技を見せたのは島田だ。2017年からステファン・ランビエルコーチに師事し、演技力には定評があったが、4回転ジャンプの安定感が課題だった。その島田が、東京ブロックでリンクサイドに帯同していたのは、ランビエルコーチではなく、なんと羽生の元ジャンプコーチであるジスラン・ブリアン氏だったのだ。

「ジスランコーチは、3~4年前からスイスに来て下さる時はあったのですが、今季からはスイスにいて下さる時間が長くなりました。ステファンコーチと僕の気持ちをジスランが汲み取った上で、今回はジスランに帯同していただきました。スイスで指導して下さっていることで、強い繋がりを感じています」

 もともとブリアン氏は、トロントのブライアン・オーサーのチームのジャンプコーチ。全体的な戦略を考えるオーサーと役割を分担し、ジャンプの細かい技術面を担当してきた。羽生の4回転ループ、4回転ルッツ、そして4回転アクセルの習得に向けて、サポートしてきた1人だ。そのブリアン氏が、このオフからはトロントを離れ、フリーのジャンプコーチとして、ランビエルのスケート学校や日本の木下グループなどをサポートしているという。夏の間は、ランビエルチームに多く時間を割き、宇野や島田に4回転を本格的に指導し始めた。

【次ページ】 「図星といえるようなアドバイスを毎回下さるので」

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