麻雀プロになるには、早く始めたほうがいい？

――考えることが好きな人たちが集まる麻雀界で、トッププロとその他を分ける要素はどこにあるのでしょう？

松嶋　麻雀が強くなるには頭の使い方がすごく上手というのが前提ですけど、そこから先はやっぱりセンスが必要なんだと思います。

――麻雀で言うところのセンスの正体ってなんでしょう？

松嶋　難しい質問ですね（笑）。確率やセオリーを超えたところで働く勝負勘っていうイメージかなぁ。麻雀は牌の枚数が決まっているので、確率や捨て牌の切り順、セオリーなどを駆使して先を読むのですが、トッププロはそういうものを超えた一打を繰り出すんですよね。

――野球やサッカーなら子どもの頃から始めていないと最高峰の舞台に立つのは難しいですが、麻雀プロもやっぱり早くから麻雀を始めていたほうがいいのでしょうか？

松嶋　こどもの頃の麻雀経験はあまり関係ないと思いますね。私は子どもの頃から家族麻雀をやっていましたけど、本格的に打ち出したのは大学に入ってから。年齢はいつからでも大丈夫だし、麻雀界にも遅咲きの人はいっぱいいます。ただ、トップに行くには、センスを元から備えているか、センスのある人にしっかり教えてもらうかの2択だと思っています。

「Mリーグの選手たちは、本当にすごいですから」

――なるほど。最後にMリーグについてもうかがいたいのですが、昨季まで実況・解説としてコンビを組むことが多かった渋川難波プロ（日本プロ麻雀協会）が、今季からKADOKAWAサクラナイツからドラフト指名を受けてプレイヤー側にまわりました。

松嶋　彼はもともとMリーグの選手になりたい人だったんですよね。だから、友だちの夢が叶ってうれしいなっていう気持ちです。

――視聴者は松嶋さんが実況担当の日に、渋川選手が登場するのに注目するでしょうね。

松嶋　ファンの方たちからも声をかけてもらっています。それを楽しみのひとつにしてくださる人がいる以上、ちゃんとできるように頑張りたいですね。

――今シーズンもまた年齢を重ねるのが早く感じる日々になりそうですね。

松嶋　麻雀プロになって12年になりますが、求められる場があるのは本当にありがたいなって思います。Mリーグは麻雀界のトッププロが集まってくる舞台ですから、表層的な勝った負けただけではなく、その裏側にあった勝負の駆け引きや各選手の熱い思いや思考などをしっかりとらえて、みなさんにわかりやすく伝えていきたいですね。あの舞台に立つ選手たちは同じプロ雀士から見ても本当にすごいですから。これまで以上に磨きをかけてシーズンに臨みます。

（撮影＝末永裕樹）

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