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“弁護士志望の京大生”はなぜプロ雀士に? Mリーグ実況者・松嶋桃が語る“異色の経歴”「入学したら『麻雀』というワードが飛び交っていて…」
posted2022/10/05 11:00
text by
津金壱郎Ichiro Tsugane
photograph by
Yuki Suenaga
――9月16日は松嶋さんの誕生日でしたが、Mリーグが始まってからの4年間とそれ以前とでは年齢の重ね方に違いはありますか。
松嶋 Mリーグが始まってからは、より早くなった気がしていますね。もちろん加齢にともなうものかもしれないんですけど(笑)。10月から5月ぐらいまで1年の半分以上の期間をMリーグが占めるので、そこがひとつの基準になりながら時が過ぎてる感じがします。
――そのMリーグで初年度から公式実況をつとめる松嶋さんといえば京都大卒。中学・高校も名古屋の名門私立・南山(女子部)。お嬢様だったのでは?
松嶋 いえいえ、ごく普通の家庭で育ちました。なにをもって「普通」と定義するかは曖昧ですけど、こどもの頃は賃貸マンションでしたし、会社員の父が働いて、専業主婦の母が家庭を守ってくれたなかで育ちました。
「勉強はなぜかすごくできました(笑)」
――勉強はこどもの頃から得意だったんですか?
松嶋 勉強はなぜかすごくできました。謙遜するのもなんだか違う気がするので、最近はこう言うようにしているんです(笑)。私はいつもテストは全部100点だけど、ほかの子は100点ではないし、なんなら『ドラえもん』でのび太はめっちゃ0点取るし(笑)。「私は勉強できるかも」って思っていました。
――勉強好きだったんですね。
松嶋 そんなことはなかったですよ。そもそも中学受験をすると決めた小学5年生までは、勉強という概念がなかったです。ただ、家で本を読むのが好きだったので、家にある本は片っ端から読んでました。伝記物が好きだったのと、私の世代には刺さるんですけど『21世紀こども百科』をよく読みましたね。
――特別な勉強ではなく、読書によって自然と知識が増えたわけですね。
松嶋 好きなことをしているだけですからね。絵を描くのが好きな子はたくさん絵を描くから上手くなる。体を動かすのが好きな子は足が速くなる。それと同じで、私は本を読むのが好きだっただけ。それが結果的に知識が増えることにつながったんでしょうね。
――中学受験はどういう経緯だったのですか?
松嶋 勉強ができると思われていたので、母親が提案してくれて。それで塾にも通い始めました。
――1日に何時間くらい勉強したんですか?
松嶋 時間を気にして勉強した覚えはないんですよね。中学受験に特化した塾だけど寺子屋みたいなところで、知らないことを教えてくれるのが楽しくて。「百葉箱の仕組みだけで、こんなに詳しくやるんだ!」って感じで(笑)。だから、すごくラッキーなことに中学受験は楽しいまま終わりましたし、そこで勉強のやり方の道がパッとひらけた気がしますね。