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“弁護士志望の京大生”はなぜプロ雀士に? Mリーグ実況者・松嶋桃が語る“異色の経歴”「入学したら『麻雀』というワードが飛び交っていて…」 

text by

津金壱郎

津金壱郎Ichiro Tsugane

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photograph byYuki Suenaga

posted2022/10/05 11:00

“弁護士志望の京大生”はなぜプロ雀士に? Mリーグ実況者・松嶋桃が語る“異色の経歴”「入学したら『麻雀』というワードが飛び交っていて…」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

現在はMリーグの公式実況者としても人気の松嶋桃さん。“異色の経歴”について聞いた

「勉強はできたけど、体はめちゃくちゃ弱くて…」

――それで見事に難関中学校に入学し、そこから京都大学に現役合格。中学・高校時代は勉強ひとすじだったのですか?

松嶋 いえいえ、全然。中高一貫校はよほどのことがない限り自由な6年間が待っているので、私もそれを満喫して(笑)。ルーズソックス履いて、プリクラ撮って、カラオケに行ってました。

――歌もこどもの頃から好きだったのですか? 

松嶋 好きでしたけど、苦手なことでしたね。こどもの頃のカラオケに行ったビデオが残っているんですけど、もう笑えるほど音痴で(苦笑)。

――DISHの『猫』を歌っている松嶋さんの動画は、音痴ではなかったですよ。

松嶋 あの動画を撮ったのはコロナ禍のまっただ中で、カラオケボックスは閉鎖されていたので、自宅で音源を聴き込んですごく練習したんです。その成果ですね。親には「本当はうまかったんだな」と驚かれました(笑)。

――こどもの頃から苦手にも取り組むタイプだったのですか?

松嶋 違いましたね。私は勉強はできたけど、体はめちゃくちゃ弱くて、やってはいけない運動もあったので、こどもながらに『人間にはできることと、できないことがあるのが当たり前』と思っていて。苦手だけど頑張りたいものは頑張ればいいし、頑張りたくなければ頑張らなくていいやっていう感じでした。

フツーの女子高生がなぜ京大に合格できたのか?

――読書以外で熱中したものはありました?

松嶋 3歳下の弟がいるんですけど、小学生の頃はミニ四駆を共通の趣味にしていましたね。塗装したり、パンチで穴あけて肉抜きしたりして。弟とは共通の趣味が多くて、劇団四季も一緒にハマりましたね。

――松嶋さんは劇団四季の『キャッツ』が相当お好きなんですよね。

松嶋 もう回数を数えるのはやめたのですが、90回くらいは観ていると思います。中学3年生のときに母親が連れて行ってくれて。いまとなっては、いい趣味を教えてもらったなと感謝しています。

――同じ作品を20年以上も観ているんですね。

松嶋 私は新しい作品も観ますが、わりと同じ作品を何回も観たい派なんですね。キャストによる違いだとか、その日の空気感だとか、座席の位置だとかで印象が変わるのも魅力なんです。でも、『キャッツ』のなによりの魅力はアトラクション感! いまはコロナ禍でキャストが座席のあるフロアに降りられないのが残念なんですけど、猫がもう手の届くところまで舞台から降りてくるんですよ!

――劇団四季の話も興味深いですが、話を戻すと、普通に遊んでいた女子高生がなぜ京大に合格できたのですか?

松嶋 進路指導で「どうしよう」となって、そこから予備校に通って必死に勉強しました。ただ、環境は恵まれていましたね。学校のテスト前は友だちと一緒に勉強していたので、受験勉強を始める前から最低限の勉強習慣はあって。それで「いざ受験」となっても、勉強を頑張れたんだと思います。

【次ページ】 「入学したら『麻雀』というワードが飛び交っていた」

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松嶋桃
京都大学
日本プロ麻雀協会

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