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6球団競合、菊池雄星をクジで引き当てた西武・渡辺久信監督がしていたゲン担ぎ「紫のペンを忍ばせ、紫の下着も…」 

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中村計

中村計Kei Nakamura

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photograph byJIJI PRESS

posted2022/10/20 06:00

6球団競合、菊池雄星をクジで引き当てた西武・渡辺久信監督がしていたゲン担ぎ「紫のペンを忍ばせ、紫の下着も…」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

6球団競合から見事、菊池雄星を引き当てた渡辺久信監督。翌年の大石達也も6球団競合ながら引き当てた。その裏には執念とも思える験担ぎがあった…

翌年はエンジ色のボールペンと下着を身に着けた

「6分の1」×「6分の1」――。菊池を引き当てた翌2010年のドラフトで、渡辺は6分の1の奇跡を36分の1の奇跡にした。

 同年は早大の剛腕投手・大石達也が人気となり、やはり6球団の1位指名を集めた。渡辺は前年のゲン担ぎを踏襲した。前夜は大石の故郷の焼酎で身を清め、当日はエンジ色のボールペンと下着を身に着けた。

 この年のクジを引く順番は、いちばん最後だった。そこに吉兆を覚えた。

「雄星のときは最初で、今度は最後。中途半端じゃなくていいな、と」

 余りクジを拾い上げ、封を開けた。その瞬間、二つ折りになっているクジが開いていて「交渉権確定」の印字が見えた。

王さんが出てきたから、しょうがない

 もちろん、運は永久ではない。2012年は亜細亜大の東浜巨を1位指名。ソフトバンクら3球団の競合となり、ソフトバンクの会長・王貞治にさらわれた。

「あのときは王さんが出てきたから、しょうがない。勝てないよ。引く前から何となくわかる。その人の持ってる運とか」

 その年は、外れ1位でNTT西日本の増田達至を指名すると、今度は広島と重複。だが、2度目は引き当てた。そのときは「勝てそうだった」と渡辺は思い出す。

「広島でクジを引くのは野村謙二郎(監督、当時)だったから。彼は、けっこう外してる印象があったんだよね」

【次ページ】 森友哉の単独指名時に飲んでいた「森伊蔵」

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