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村上宗隆ホームラン量産に「シンプルにすごいと思う」同い年の安田尚憲(23歳)が思い描く未来像とは?「清宮も爆発しているので」 

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千葉ロッテマリーンズ取材班

千葉ロッテマリーンズ取材班Chiba Lotte Marines

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posted2022/09/27 11:02

村上宗隆ホームラン量産に「シンプルにすごいと思う」同い年の安田尚憲(23歳)が思い描く未来像とは?「清宮も爆発しているので」<Number Web> photograph by KYODO

今季は開幕一軍を逃すスタートになったが、徐々に手応えを掴み始めているというロッテ安田尚憲

 ここまで将来の主軸と期待し、安田を我慢強く起用してきた井口資仁監督も少しずつ進化を見せている姿に目を細める。中でも評価をしているのは積極性だ。

「打席の入り方がいい。打席で勝負している。そういう姿勢に見える。受け身から攻撃的になった。タイミングをしっかりとれて、積極的に手出しをするようになっている。今までは甘い球を見逃していた。確率的に行っても甘い球を3回に1回しか振らないのと、3回とも振るのでは結果は違う。1球目から決着をつけにいっている。当然のことだけど、追い込まれてからだと確率も下がる。待ちのバッターだったのが、積極的に打てる打者になっている」

 井口監督は今後、期待する将来像を「中距離打者という表現をしたこともあるけど、ホームランは30発以上は打てる力があるし、打ってもらいたい。それでいて率も残せる打者」と明かした。

「ここまではどちらかというと失敗体験で受け身になっていた部分があったけど、最近の成功体験の積み重ねが彼をいい方向に導いている。人によって成長のスピードは違う。安田は一歩、前に踏み出してくれたかなと思う。階段を昇り始めたかなと思う。一歩一歩、前に進んでいる」

 覚醒を待つ指揮官は特別な想いを明かしてくれた。

「クラッチヒッターになりたい」

 自身キャリアハイとなる第9号は9月23日のホークス戦(PayPayドーム)で生まれた。4回2死一塁、初球。ホークス先発・和田毅投手の真ん中付近に入ってきたチェンジアップを積極的に振り抜いた。打球は低い弾道で伸びた。右中間に飛び込む先制2ラン。両軍無得点の緊迫した試合の均衡を破る1発だった。

 思えば、プロ1号もルーキーイヤーの18年10月2日、この球場で東浜巨投手から記録している。甘い球を逃さない。指揮官が望んでいる通り、初球を見事に仕留めた。

「クラッチヒッターになりたい。そう思っています」

 クラッチヒッターとは、勝負強く好機で活躍する打者を指す。勝利打点、得点圏打率の高い打者。まさにチームを勝利に導く主軸。マリーンズ不動の4番の姿がそこには見える。

 村上宗隆、清宮幸太郎など強力なスラッガーがひしめくこの世代。比較論は続くが、まだまだ決着の時には早すぎる。これから10年、20年……切磋琢磨し、しのぎを削るライバル関係は続いていく。まだ23歳の若武者には無限の未来が広がっている。

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