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村上宗隆ホームラン量産に「シンプルにすごいと思う」同い年の安田尚憲(23歳)が思い描く未来像とは?「清宮も爆発しているので」
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千葉ロッテマリーンズ取材班Chiba Lotte Marines
photograph byKYODO
posted2022/09/27 11:02

今季は開幕一軍を逃すスタートになったが、徐々に手応えを掴み始めているというロッテ安田尚憲
そんなライバルは今ではすっかり時の人になった。
「ボクもニュースとか映像を見ますよ。シンプルにすごいと思う」
ただ、安田もまだ覚醒の域には達してはいないが、少しずつ片りんを見せつつある。冒頭で紹介したホームランのシーン。天賦の才がなければ打てないアーチだった。
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「8月のゲームから打席でしっくりくるようになった。フォームと構え。しっかりと間がとれてタイミングがとりやすくなり、ポイントを前で打てるようになったのは大きい。ポイントを前にすることで振れるようになってきているし、引っ張れている」
オープン戦で大スランプ、開幕一軍を逃す
今季もシーズンスタートは思い通りにいかない日々が続いた。アピールの場であったオープン戦で大スランプに陥り、最初の目標としていた開幕一軍メンバー入りは叶わなかった。4月1日に一軍登録をされたが、結果が伴わず同月21日に抹消。「どうしようもない状態だった。試行錯誤を重ねた」と振り返る。5月3日に再び登録されたがチャンスを何度も与えてもらいながら、満足いく結果が出ない悶々とした日々が続いた。
8月9日のホークス戦(ZOZOマリンスタジアム)が終わった時点で打率は.236まで落ち込んだ。ただ野球において不調と好調は紙一重。ある日をキッカケに突然、流れが変わることがある。
翌10日の同カードで1安打を放つと、そこから4試合連続安打。14日のファイターズ戦では5月以来となる3安打猛打賞を記録し、さらなる手ごたえを掴んだ。19日のイーグルス戦(楽天生命)では、6月1日スワローズ戦(神宮)以来の本塁打も生まれ、ようやく背番号「5」が自分の姿を取り戻した。27日、28日のイーグルス戦(ZOZOマリンスタジアム)では2試合連続本塁打。暗いトンネルの中に長い間、迷い込んでいた若者は我慢と努力の末、光を見た。
「ZOZOマリンスタジアムでホームランを2試合連続で打てたことはだいぶ自信になった。打った瞬間だった。これが自分の打撃。崩されない打撃ができるようになって相手と勝負が出来るようになった。この感じを1年間、通して継続していけるようにしたい」