元セーブ王・馬原監督「彼を呼んで話をしたんです」

　チームにはパ・リーグ元セーブ王の馬原孝浩監督（元ソフトバンク、オリックス）や藤岡好明投手兼任コーチ（元ソフトバンク、日本ハム、DeNA）といったNPBで実績を残した指導者がいる。馬原監督は言う。

「最初から期待はしていました。だけど、開幕前のキャンプは大きく出遅れたんです。調整法とか知らないことが多かった。それでキャンプの終わり頃だったか、彼を呼んで話をしたんです。『野球人として、どうあるべきか』みたいな。あの頃は、口では『覚悟を持って』とか言っている割に、彼が何を目指しているのか僕には伝わってこなかったから。それ以降、変わりましたよ。アップの姿勢から変えてみろと話したら、もう周りが引くくらいの集中力をもって臨むようになりましたし」

　そして、こんな言葉を継いだ。

「それくらい何かに徹してやるとか、黙々と1人でやり続けるとか出来る人間じゃないとNPBなんて行けない。普通のことをやっていて入れる世界じゃないんです。それに彼の場合はマウンドでの気持ちがいい。度胸がNPB向き。アマチュアや独立リーグの場合、大体まずはその部分から作り上げていかないといけない。その部分については、ほとんど言う必要がなかった」

火の国サラマンダーズを率いる馬原孝浩監督　©Kotaro Tajiri

「こんな有望な人材は日本中探しても少ない」

　唯一、マウンドさばきの部分で指摘があった。「後ろを向いて1アウト～！　とか2アウト～！　とか、学生野球みたいなことは止めよう」という話をしたという。

「プロ野球でやっている人、いないでしょ。マウンド上ではあまり動くなと言いました。どっしりとバッターと向き合う。そういうのも、全部ピッチングにつながるんですよ。でも、シーズン途中から注意することもなくなりました。大体の選手は、1カ月もすると気が緩んで自分の動きに戻ってしまうんですが、芦谷は修正したことをそのまま徹して、貫き続けることができる。そこってすごく大事。こんな有望な人材は日本中探しても少ないと思いますよ」

　ドラフト会議が10月20日に迫る。芦谷は言う。

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