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「代アニの同期には能登麻美子さんがいました」声優再挑戦のモノマネ芸人・山本高広47歳が明かす“新人声優”時代「自分オリジナルの声がわからなくなった」 

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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photograph byWataru Sato

posted2022/09/16 11:02

「代アニの同期には能登麻美子さんがいました」声優再挑戦のモノマネ芸人・山本高広47歳が明かす“新人声優”時代「自分オリジナルの声がわからなくなった」<Number Web> photograph by Wataru Sato

昨年秋、山寺宏一さんなど有名声優が在籍する事務所に移籍した山本高広さん。声優としての活動を聞くと…

山本 いや、モノマネをやりすぎたことで、自分の声、山本高広オリジナルの声がわからなくなっていました。そんな時期に、『梨泰院クラス』の吹き替え版でオ・ビョンホン刑事の役が決まって。ちょうど「芝居がうまくならないとダメだ」と言われたばかりの時期だったので、これはまずいと。自分自身の声で、ちゃんと芝居をしようと決意して、何度も何度も自分の声をスマホに録音して確認しました。やっぱり自分の声で話せば感情が乗りますし、お芝居がしやすい。完成した作品を見て、「これが俺の声なんだ」って自信を持てましたし、「この声で芝居をやっていこう」と思えるきっかけになった作品ですね。まだまだ粗いところもありますし、ミスばっかりですけど、今は失敗しても楽しい。若手芸人の気持ちです。

誰もが知る役を演じられるようになりたい

――モノマネ芸人としての山本さん、声優としての山本さん、それぞれ評価のされ方も違うと思います。

山本 どちらも楽しいですけどね。モノマネ芸人の場合は、ネタを作ってお客さんや番組スタッフに披露して、笑い声を聞くことで実感が湧くんです。声優の場合は完成した作品を見て、自分がその世界に入れたと感じたときに嬉しくなる。例えば、僕は以前から『プリズン・ブレイク』が大好きだったんですけど、過激派組織のメンバーであるキュクロプス役で出演させてもらったとき、完成品を見て「うわー、主役のマイケル・スコフィールドと俺が、砂漠で殺し合いしてるよ」って感動しましたもんね。もちろん吹き替えをしているだけなので、画面に映っているのは僕じゃないんですけど(笑)。

――声優としての最終目標、こういう作品に出たいという希望はありますか。

山本 やっぱり“持ち役”ですね。『梨泰院クラス』のオ・ビョンホン刑事役のように、シリーズものの持ち役を増やして、みんなに覚えてもらいたい。『ドラゴンボール』の孫悟空と言えば、野沢雅子さん。あの領域まで行けたら、最高ですね。

――実現したら、山本さんのモノマネをする芸人さんが現れるかもしれないですね。

山本 野沢さんや山寺宏一さんは、まさにモノマネされる声優ですもんね。僕も、誰もが知る役を演じられるようになって、心から「声優になってよかったぁー!」と叫べるように、これからも頑張ります。

 

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織田裕二のラスト『世界陸上』をモノマネ芸人・山本高広はどう見たか? 「最後の“地球に生まれてよかったぁー!”にはシビれました」

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