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大学部活の現実「月1万5000円の部費がツラい」金銭面で退部者続出…「地方国立、弱小、資金難」信州大アメフト部が選んだ“法人化”という劇薬 

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山崎ダイ

山崎ダイDai Yamazaki

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posted2022/09/06 17:00

大学部活の現実「月1万5000円の部費がツラい」金銭面で退部者続出…「地方国立、弱小、資金難」信州大アメフト部が選んだ“法人化”という劇薬<Number Web>

「地方、弱小、資金難」“三重苦”の信州大アメフト部はなぜ“法人化”という選択をしたのか

「寄付金なども活用してなんとかやっていましたが、それだとどうしても年ごとに収入にばらつきが出てしまう。また、強豪校では年間1人1000万円以上の費用をかけている監督やコーチたちも、ウチはボランティア。何とか組織的に安定した収入を得る必要がありました」

 日本一を争うような強豪私立大学でもなければ、こういった金銭面の問題は多かれ少なかれどの大学でも抱えていることでもある。だが、特に信大のような地方の非強豪校で、しかも部への資金的援助も少ない国立大学では、金銭面を理由に退部者が続出するなど問題は差し迫っていたという。

月1万5000円の部費…アルバイト→深夜ジムの毎日

「ところが仮にスポンサーを探そうにも、単なる大学の任意団体では銀行口座も作ることができません。それでは契約してもらうこともできない。そのためには、まずは法人格を持ち、財務面や人事のガバナンスをきっちりする仕組みが必要でした」(佐々木)

 企業からスポンサー料を得たり、グッズ販売をして収益を上げると、消費税や法人税などの納税義務も生じる。法人化されていない任意団体のままでは、企業や公的機関に対しての信頼性を得ることが非常に難しいのだ。

 金銭面の負担に対する危惧は、選手の中でも顕著になっていたという。今季、チームの主将を務める南亮太郎もこう振り返る。

「過去には一番高い時で、月に1万5000円の部費がかかっていました。もちろんそれ以外にトレーニング用のウエアや備品、食費もかかる。自分は学校が終わってからアルバイトに行って、それを終えてから夜の10時頃にようやくジムに行って筋トレができる……みたいな生活でした」

 トレーニングを終えてベッドに入るころには、とうに日付をまたいで深夜になっている。そんな日がほとんどだったという。

「この環境で果たして本当に強くなれるのか? そんな疑問はずっと抱えていました」

「じゃあこの仕事は誰がやるの?」問題

 前出の佐々木はそんな現状を憂い続けていた。

【次ページ】 「じゃあこの仕事は誰がやるの?」問題

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