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リオ五輪金“タカマツ”が歩むそれぞれの道…母になった高橋礼華に聞いた、“元相棒・松友と夫の混合ダブルス”をどう思う?
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byL:JMPA R:Ayaka Kaneko
posted2022/08/28 11:02
現在は子育てに奮闘中の高橋礼華。元相棒・松友美佐紀は夫・金子祐樹と混合ダブルスのペアを組む
現役時代に醸成された“あうんの呼吸”で、松友とともに勝利を収めてきた。どちらも知る立場として、また、松友とは夫よりも長くペアを組む経験者として、高橋は日ごろから双方にアドバイスをするのか。またアドバイスを求められることはあるのだろうか。
「松友とは、金子とのダブルスの話をすることはほとんどないですね。金子からは相談という感じではないのですが、何か聞かれた時に松友のことで分かることがあれば伝えるようにするくらいで。今は勝てないことの方が多くて、彼なりに悩むこともあるようですが、松友とペアを組むと決めた以上は頑張ってほしい。私と松友はたまたま長く組むことができて、2人で時間をかけてペアを作りあげてきました。でも、金子・松友組は、また私たちのペアとは違いますし、2人も、私たち(高橋、松友)のペアのようにしようとは思っていないでしょう。
金子も松友も、それぞれ男子ダブルス、女子ダブルスをやってきたので、それぞれ感覚的に以前とは違うなと感じることがあると思いますし、だからこそ、あまり参考にならないのかなと思っていて。金子には『大変かもしれないけれど、カバーできることはカバーしてあげたら?』くらいしか言わないですね」
「誰よりもバドミントンを深く考えている」
ペアを解消し、第一線からも退き、今はかつての相棒と同じ時間を共有することもなくなった。それでも、先輩後輩ペアがお互いを信頼し、尊敬し合い、高め合ってきたあの頃のように、高橋は今も松友のバドミントンに対する真摯な姿勢に感心することが多いという。
「現役時代にペアを組んでいた時、いつも隣で見てきましたが、間違いなく誰よりもバドミントンを深く考えていましたし、練習していたし、本当にバドミントンが好きなんだということを感じていました。引退した今は、メディアなどを通して見ても、その姿勢が突出していると感じますね。金子と同じように松友も女子ダブルスではできていたことが、混合ダブルスではできないと今は感じることが多々あると思います。でも、なかなか試合で勝てていない状況でも、私と組んでいた時代に勝てなかった頃のように、“いつか勝てる”という強い意志を持って戦っていると思います」