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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
“女子高生でヒールで双子”スターダム吏南が語った木村花への思い「花さんがいなかったら、プロレスをやめていた」《特別グラビア》
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2022/08/25 11:03
15歳の高校1年生ながら、ヒールとして存在感を発揮している吏南。かつて木村花と過ごした日々が、彼女にとって大きな支えとなっていた
「それは羽南が見栄を張っているだけですね。でも、もちろん、私が羽南から取らないと面白くないじゃないですか。だから、取りますよ。私は、3姉妹の中でもいつも自分が一番じゃないと気が済まない。羽南がベルトを持っているのが嫌。やっぱり吏南が一番じゃないと」
3月26日、両国国技館で吏南は羽南の王座にチャレンジしたが、敗れた。
「羽南は強かった。あの時は3回目の防衛戦でしたけど、最近は大舞台で防衛を続けてだいぶ王者らしくなった。普段は褒めないですけどね!」
吏南はちょっとはにかみながら姉を讃えた。
ラム会長とは「メイクが似ていて共感(笑)」
8月26日、若手中心の『NEW BLOOD』の品川大会で吏南はラム会長とタッグを組む。
「ラム会長はまだ若いけど、私が生まれる前からやっているめっちゃベテラン。これまで他団体の選手と絡むことがなかったので『NEW BLOOD』のリングで会えることがうれしい。ラム会長も小学生からプロレスを始めたし、一番シンパシーを感じるのはやっぱりメイクが似ていること(笑)。ついにここで巡り合えた、という感じです」
吏南は15歳にして7年(今年で8年目)というプロレスのキャリアを持つが、実家が東京から離れていることもあって、小学生のころはなかなか練習に打ち込むことができなかった。
「私もプロレスは小2で始めたんですけど、家が栃木なんで、両親とスケジュールが合わないと道場に通えなかった。小3とか小4の時はほとんど行けなかったです。だから当時は、今みたいにプロレスラーをやっているとは思っていなかった。3姉妹の中で自分が一番ダメでした。マット運動とかもできなくて、自分には無理だろうな、って……。でも、続けているうちに本気になってきて、中学校の卒業文集では『チャンピオンになって、世界で戦える強いレスラーになりたい』って書いたんです」
ピカピカの高校1年生ながら、ヒールとして存在感を発揮している吏南。悪の軍団である大江戸隊は、彼女にとってどんな居場所なのだろうか。
「スターダムのユニットの中で一番雰囲気がいいし、ユニットらしいと思います。自分自身、大江戸隊に入って変われた。リーダーのなっちゃん(刀羅ナツコ)が『自由でいいよ』っていうので、みんな自由にやっている。ただ私、SNSは極度に苦手なんです(笑)。それは(スターライト・)キッドに任せて、私は口で会場を盛り上げる方を積極的にやりたい。私の声って、すごく通るみたいなんで。やっぱりキッドが大江戸隊に入ったことはデカかった。刺激されて、プロレスを頑張ろうと思えました」