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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
「もし双子じゃなかったら…」“スターダムの女子高生3姉妹”の末妹・妃南15歳に聞く「姉たちに伝えたいこと」《特別グラビア》
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2022/08/25 11:02
15歳の妃南はスターダムに所属する3姉妹の末妹。双子の姉・吏南、長姉・羽南との関係や、プロレスラーとしての目標を語った
そんな3姉妹が暮らす自宅から道場までの2時間半という道のりは、高校生になっても変わらない。試合の日は夜が遅くなった場合、早朝に家に帰らなくてはならない。土日はいいとして、平日の試合の場合、学校を早退したり休むこともある。学業との両立は想像するだけでハードだが、移動中はどんなふうに過ごしているのだろうか。
「近くの試合の時は母が車で送ってくれるので、音楽を聞きながら寝ています。バスでの移動中はNetflixでドラマとか。あ、今はアニメの『斉木楠雄のΨ難』にドハマりしています。一話完結で楽しめるから見やすいですし、あまり理解力がない私にはありがたい(笑)」
15歳で8年目、それでも「プロレスって難しい」
等身大の魅力と無限の可能性を秘めた15歳の妃南が目指すプロレスラー像とは、いったいどんなものなのか。
「パワーファイターになりたいですね。それもただのパワーファイターじゃなくて、足が速くてジャンプ力がある、俊敏に動ける身体能力の高いパワーファイターになりたい。一番近い選手で言うならウタ(林下詩美)ですかね。凄いじゃないですか、あれだけ力があって、動きも速くて。練習生の頃から見ていましたけど、マット運動も綺麗だったし、本当に別格で練習生だとは思えなかった。『これはスターになるわ』って。上から目線ですけど(笑)」
QQの中にはプロレスのキャリア的には後輩になる選手もいる。それでも、今の妃南にはそこまで焦りはないようだ。
「最初は『悔しい』と思うけれど、時間が経つと悔しいというより『すげえ』と思う。こんな短い間にトップに行けるんだと。私も年齢が上だったら、もっとプロレスに集中できたんじゃないか、と考えることがあります。でも、簡単にできちゃうとすぐに飽きちゃうんで、できないことがある方がもっと頑張ろうと思える。そこが面白いのかな」
他のレスラーへの称賛や自分の課題を素直に口にできるところが、15歳らしいのかもしれない。
「自分に才能があるとは、今は思っていません。勉強もスポーツも、なんでも人並みくらいまではできるタイプなんですけど、プロレスって難しいんですよ。『ああ、むず……』って小学生から7年間ずっと思ってきました。今8年目ですけど、それを無駄にしたくない。ここまで続けてきたんだから、絶対に成功したい」
<吏南編へ続く>
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