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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
「もし双子じゃなかったら…」“スターダムの女子高生3姉妹”の末妹・妃南15歳に聞く「姉たちに伝えたいこと」《特別グラビア》
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2022/08/25 11:02
15歳の妃南はスターダムに所属する3姉妹の末妹。双子の姉・吏南、長姉・羽南との関係や、プロレスラーとしての目標を語った
欠場中は焦りも「やばい。置いていかれる」
妃南はプロレスとの出会いを語った。
「初めてスターダムでKAIRIさんの試合を観たのが、たしか年中のころ。すごい衝撃を受けて、勇気をもらいました。それから2、3年の間は、月1とか月2とかの間隔で試合を観に行きました。小学2年生の時、ついに自分が『プロレスをやりたい』って言い始めて、売店にいた風香さんに家族でお願いしたんです。3人で始めましたけど、最初、羽南は練習だけ参加するみたいな感じでしたね」
所属するユニット、クイーンズ・クエスト(QQ)の居心地についても聞いてみた。
「自分にとって、一番居やすいユニット。キャラ的にも私にはヒールが似合わないし、正規軍のようにキラキラもしていない。クールなQQがいいんです。私はしゃべるのがあまり得意ではないんですけど、先輩も優しいし、後輩も話しかけてきてくれるし……。今、仲がいいのは(天咲)光由ちゃん。遠征先のホテルで夜遅くまで話しています。タッグ組むようになってから、髪形もおそろいにしたり(笑)」
4月29日、妃南は大田区総合体育館で姉・羽南の持つフューチャー王座に挑戦したが、バックドロップ・ホールドで敗れた。
「また取りにいきたいです。でも、フューチャーに挑戦する権利を持っている選手はほかにもいっぱいいる。順番というわけではないですけれど、もっと下積みを重ねてから、自分が強くなったと感じた時に挑戦して、羽南から取りたい」
将来について語る時、妃南の眼は輝きを増していた。なにかと比べられがちな3姉妹レスラーだからこそ、高校入学前には葛藤もあったようだ。
「受験での欠場前に比べたら、強くなったとは思う。中学生の時は自分も周囲も『まだ子供だから』みたいな感じだったんです。受験期間中はプロレスに触れていなかったんですけど、その間に羽南と吏南が存在感を増していた。その活躍している姿を見て頑張らなくちゃと思いました。嫉妬というか、『やばい。置いていかれる』みたいな……。そんな悔しさや焦りも感じました」