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大谷翔平“ルース以来104年ぶり快挙”も現地の関心が薄い理由は? 米記者の見解「オオタニがメジャーの顔であることは間違いないが…」 

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阿部太郎

阿部太郎Taro Abe

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posted2022/08/21 11:00

大谷翔平“ルース以来104年ぶり快挙”も現地の関心が薄い理由は? 米記者の見解「オオタニがメジャーの顔であることは間違いないが…」<Number Web> photograph by Getty Images

ベーブ・ルースが「2桁勝利&2桁本塁打」を達成したのはレッドソックス時代の1918年(右写真)。8月9日、大谷翔平は104年ぶりの偉業を成し遂げた

 日本の野球は今も勝ち星が重要な数字で1桁の9勝と2桁の10勝では大きな違いがある。投手が2桁を何度やっているかというのも、その格を決める。一方で、メジャーは個人の指標を出すデータが色々と出てきて、勝利数に焦点が当たることが少なくなった。

 確かにと思った反面、エンゼルスでの大谷の10勝は他のチームより、価値が高いのではとも思った。大谷は常に自軍の貧打に苦しみながら、粉骨砕身して投げている。

 ヘルナンデス記者はあと2つ、理由を挙げた。

「あとはルースの名前が、既に使われ過ぎている。そして、チームが弱い。うちのサイトでもドジャースとエンゼルスのアクセス数は全然違うし、どうしてもドジャースの方が手厚い報道になる。もちろん、大谷がメジャーの顔であることは間違いないけど……」

 ドジャースやヤンキース、レッドソックスのようなチームなら、全米を巻き込んだストーリーになっていたかもしれない。

「もしかしたら普通の数字かも」大谷自身も淡々

 大谷自身も、ルースの背中を追っていない。

「ダブル2桁」を達成しても笑顔はなく、むしろ疲労の色が見えた。左足に打球を受けての熱投が、そうさせたのかもしれない。勝って満足する選手ではないが、高揚感や充実感はそこになかった。

 ルースの名前が出てくることには「もちろん光栄なこと」と話したが、「シーズン中に、自分の今の数字がどういう印象なのかあまりわからない」とそっけなかった。

 100年以上出なかった投打の記録についても、実に淡々とこう言った。

「単純に2つやっている人がいなかったというだけかなと思う。それが当たり前になってくれば、もっと、もしかしたら普通の数字かもしれないし。それは単純にやっている人が少ないということ」

 やっている人が多ければ、「普通の数字」というのは考えにくい。圧倒的な能力に加え、その能力を使いこなせる頭脳、毎日出場し続ける体力、それを可能にする飽くなき向上心、そういったものが全て備わっていないと、メジャーリーグの舞台で投打をハイレベルでこなすのは難しい。162試合はそんなに甘いものではない。

【次ページ】 大谷にとって記録よりも大事なもの

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