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PSG→バルサのロナウジーニョやミラン直行のカカは成功、大失敗は“自宅放火した超逸材DF”…ブラジル人移籍明暗〈久保建英のライバルは?〉 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2022/08/01 20:01

PSG→バルサのロナウジーニョやミラン直行のカカは成功、大失敗は“自宅放火した超逸材DF”…ブラジル人移籍明暗〈久保建英のライバルは?〉<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

バルサ時代のロナウジーニョとミラン時代のカカ。それぞれ欧州でステップアップした

 ただし、彼は17歳でサントスからデビューし、バルセロナへ移籍した時点で5年のキャリアがあり、225試合に出場して136得点を記録していた。2010年に18歳でブラジル代表に初招集を受け、ここでもすぐにレギュラーになっていて、バルセロナへ移籍した時点ですでに十分な実績があった。ブラジルのフットボール関係者の誰もがバルセロナでの成功を疑っておらず、実際、その通りになった。

ビニシウスはもともとフィジカルが弱かったが

 現在、レアル・マドリーで攻撃の軸の1人となっているビニシウスは、フラメンゴのアカデミー育ちだ。圧倒的なスピードの持ち主で、高度なテクニックを持ち、両ウイング、CFとしてプレーできる。

 2017年5月、16歳10カ月でフラメンゴからデビューし、2017年は37試合に出場して4得点、2018年前半は32試合で1得点。2018年6月、18歳の誕生日にマドリーへ移籍した(推定移籍金は4500万ユーロ=約62億4000万円)。久保建英がマドリーへ入団するちょうど1年前のことだった。

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 久保建英のように他クラブへ期限付き移籍するのではなく、Bチーム(スペイン3部)でプレー。5試合に出場して4得点1アシストという別格の実力を示し、わずか1カ月で“卒業”してトップチームに昇格した。

 ただし、しばらくは途中出場が多かった。フィジカルが弱く、シュートの精度も低かったからである。だが専属のフィジカル・トレーナー、栄養士、コックを自費で雇って肉体を改造。苦手なシュートを徹底的に練習した。そして、少しずつ出場機会を増やし、昨季は52試合に出場して22得点と大ブレイク。チームでもブラジル代表でも絶対的なレギュラーとなった。現在の市場価値は1億ユーロ(約138億7000万円)で、世界で最も市場価値が高い選手の1人だ。

久保と同い年ロドリゴの勝負強さ

 久保と同い年のロドリゴは、サントスのアカデミー出身。ビニシウスのように突出したスピードがあるわけではないが、基本技術が高く、戦術理解能力に優れ、異常なまでに勝負強い。

 2017年11月にトップチームで初出場し2018年、58試合に出場して12得点。2019年前半、32試合に出場して10得点を記録し、久保と全く同時期の2019年7月、18歳6カ月でレアル・、マドリーへ迎え入れられた(推定移籍金はビニシウスと同額の4500万ユーロ=約62億4000万円)。ビニシウスと同様、入団後はBチームに在籍。しかし、1試合に出場しただけでトップデビューしている(Bチームでの総合成績は3試合に出場して2得点)。

 当初、トップチームでは控えの控えだったが、フィジカル能力を高め、チーム戦術にも適応することで徐々に出場機会を増やした。昨季は49試合に出場して9得点という入団以来最高の成績を残した。

 印象に残るのは、欧州CL準決勝のマンチェスター・シティとの第2レグで“起こした奇跡”だ。

【次ページ】 バイエルンに行きながら“自宅放火”してしまった選手も

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