- #1
- #2
Number ExBACK NUMBER
YouTubeで異例の“470万再生超”…麻雀プロ・内川幸太郎が今明かす、Mリーグ史に残る“あの役満放銃”「それでも僕は西を切ると思う」
text by
曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byTakuya Sugiyama
posted2022/07/28 11:01
KADOKAWAサクラナイツのメンバーとして、Mリーグ制覇を成し遂げた人気Mリーガーの内川幸太郎
内川の決意「僕は攻める方を選びたい」
――サクラナイツの麻雀について、森井監督は「ガチで勝ちにいく姿勢とエンタメ、どちらも追求したい」と語っています。内川プロが考える「エンタメ性の高い麻雀」とはどんなものでしょうか。
内川 麻雀の判断というのは非常に難しいところが多いんですが……。たとえば、「これが正着」という答えが出ない場面、誰かからリーチを受けて押し返すのと守るのと、最終的に優勝するために50対50くらいの選択であれば、僕は攻める方を選びたい。例の「西」のようなリスクがあったとしても、です。
それはなぜかと言ったら、やはりファンの方はぶつかったり、めくり合ったり、戦っている姿を見るのが楽しいはずだと、少なくとも僕が見る側ならそう思うからです。もちろん「勇気ある撤退」というのもありますし、40対60ならさすがにやめますが、47対53くらいなら勝負したい。よく「自分の麻雀のどこを見てほしい?」と聞かれるんですが、「ファンがいってほしいと思う場面では必ずいきます。そこは裏切りません」と答えています。
――その「魅せる、攻める」という意識はいつごろ芽生えたものですか?
内川 プロになったその瞬間からですね。アマチュアとプロの違いはそこだと、日本プロ麻雀連盟の先輩方からずっと教わってきたので。もちろんアマチュアの世界にも非常に麻雀が強い人がいますけれど、プロである以上、映像や牌譜として残したときに恥ずかしくないような麻雀を打つ、という意識は常にあります。所属団体の文化と言えるかもしれません。
――仮定の話になりますが、もしあの四暗刻放銃とまったく同じ状況が与えられたとしたら、内川プロは西を切るのでしょうか。
内川 そうですね。もし3年前のあの瞬間に戻れたとしても、やはり僕はあの西を切ると思います。
<後編へ続く>
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。