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『すぽると!』2代目キャスター・平井理央39歳の今…“4歳1児の母”になって「30代もいろんな種をまいた10年だった」
text by
秋山千佳Chika Akiyama
photograph byMiki Fukano
posted2022/07/30 11:02
元フジテレビアナウンサーで現在はフリーで活躍する平井理央さん。6年半務めたフジの人気スポーツ情報番組『すぽると!』の2代目メーンキャスター時代を振り返るロングインタビュー
平井 あと、街で「あ、ママの番組に出てた人」と小池百合子知事のポスターを指していました(笑)。
――それこそお母さんの番組に接しているうちに、「新型コロナウイルス」だけでなくニュースやスポーツの知識がつきそうですね。
平井 パラスポーツの観戦は一緒に行ったりしていますし、いろんな多様性に小さな頃から触れてほしいなとは思っています。まだベビーカーを使っていた頃、車いすバスケットボールの日本選手権を見に行ったんです。ベビーカーに乗りたがらない時期だったんですけど、試合後には「乗りたい」と言うんです。なんでだろうと様子を見ていると、どうやら車いすがかっこいいという感覚が芽生えたみたいです。こういう感覚って、自分の幼少期には持てなかったものなのでいいなと思いました。
――お子さんの成長も楽しみですし、仕事でも30代でまいた種が育っていきそうですね。
平井 そうですね。とはいえ、ここからは健康第一ですね。つい今は、自分のことを後回しにしがちですが、健康には気をつけてやっていきたいです。
「好きになっちゃった」を起こせるのが“テレビの力”
――ご自身でもスポーツはされていますか?
平井 ホットヨガや、最近は知人に誘ってもらってビーチヨガも経験しました。あとは、春と秋のシーズン限定でジョギングも。夜なら夏でも気持ちいいですけど、夜に走る体力がもはや残っていないです(笑)。
――『すぽると!』の頃のような無理はきかなくなりますよね(笑)。でも、年齢によって失われるものがある代わりに、得たものもありそうですが。
平井 たしかに仕事をしていて、視野が広くなれたかなとは思います。
――仕事の幅が広がったことも、お聞きしていて感じました。最後に、平井さんの原点である『すぽると!』時代と照らして、今のテレビのスポーツ番組に思うところはありますか。
平井 スポーツ中継を取り巻く環境が激変していると感じます。専門チャンネルができて、放映権料も高くなって。ただ私としては、地上波のテレビにも、スポーツの魅力やアスリートの魅力を伝えられる枠が残っていってほしいです。私自身が『すぽると!』で変わったように、あまり興味のなかった人が何気なく見て、すごく好きになっちゃったということが起こるのがテレビの力だと信じています。
撮影=深野未季
〈#1、#2から続く〉
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