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「大好物はお母さんの作る明太子パスタ(笑)」“母は後藤久美子”ジュリアーノ・アレジ22歳が語る、日本での初一人暮らし
text by
大串信Makoto Ogushi
photograph byAsami Enomoto
posted2022/07/16 11:02
元F1ドライバージャン・アレジと女優・後藤久美子の長男としてテレビに引っ張りだこのジュリアーノ・アレジ。22歳注目のレーシングドライバーの素朴な日常を聞いた
「料理が面白くなってホビーになっちゃって、ネットでいろんな道具も買って楽しんでる。その荷物は毎日トムスの工場に届けてもらっていたんだけど、一気に8個ぐらい荷物が来たことがあって、山田さんから『今後はおまえのものをトムスに送るんじゃない!』と、怒られちゃったの(笑)。だから今は、秋山さん(トムスと関係の深い板金工場)のところに全部送ってるよ。だって、僕は留守がちだから。あと、オートバイも好きだから、オフロードのオートバイも秋山さんの工場に預けている。それで時々山の中へ走りに行く」
快活な性格が受け入れられ、短い期間に御殿場で広い交友関係を結んだジュリアーノ本人に、敢えて自分の性格の良い面、悪い面を聞いてみた。
「良いところはわかんない。誰かに聞いた方がいい。悪いところは……一番悪いところは遅刻するところ。約束に、必ず10分、15分ぐらい遅れちゃう。10時に待ち合わせの約束をしても、僕はいつも10時から出るの。それが問題。どんどんひどくなってる。さすがに仕事に関してはいつも早めに着くけど。自分のキャラクターが完璧だなんて思ってない。怒るときもある。それはできるだけ抑えたい」
「モータースポーツである限り、最後までわからない」
ヨーロッパで、ある意味挫折し、日本へやってきたジュリアーノは、日本でチャンピオンになることが目標だと語っていた。日本参戦2シーズン目の今、目標は視野に入っているのだろうか。
「今は、僕のプログレスのことだけ考えている。もちろん、SFでも、SGTの500クラスでもチャンピオンになりたい。でも、チャンピオンになるためにはいろんなことをしなくてはならない。今はリザルトより、今の僕が何をするべきかを考えてる。結果は、モータースポーツである限り、最後までわからない」
ジュリアーノは今、22歳。もし日本国内のレースで頂点を極めたとしても彼にはまだまだ時間はある。日本での経歴を足がかりにヨーロッパへ戻り、F1を含むヨーロッパのレースに再挑戦する気はあるのだろうか。そう問うと、ジュリアーノはこう答えたのだった。
「そういうことは、あんまり考えてない。いや、全然考えてないな」
一般に、モータースポーツの本場はヨーロッパとされ、日本からもヨーロッパを目指す若者は多い。だが若くして逆にヨーロッパから日本へ新天地を求めてやってきたジュリアーノの動向は、日本とヨーロッパにおけるモータースポーツの、新しい関係を予言しているのかもしれない。
撮影=榎本麻美
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