新刊ドラフト会議BACK NUMBER
『日本野球はいつも水島新司マンガが予言していた!』現実が後から追いついた大作と野球の面白さを確認できる一冊。
text by
松尾奈々絵(マンガナイト)Nanae Matsuo
photograph bySports Graphic Number
posted2022/07/09 07:00
『日本野球はいつも水島新司マンガが予言していた!』オグマナオト著 ごま書房新社 1500円
現実が漫画に追いついた。それは1992年、夏の甲子園2回戦で起きた松井秀喜に対しての5打席連続敬遠。その15年も前に、同じく5打席連続敬遠されていたのが『ドカベン』の山田太郎だ。
このような高校野球やプロ野球で「現実には起こらないだろう」と思われていながら実現した出来事が、実は『ドカベン』や『あぶさん』など、水島新司作品では既に描かれたものだったと紹介しているのが本書である。
よくぞここまで集まったと思うほど、1970年から現在まで、水島作品と日本野球の出来事を比較した、多くの予言やシンクロが取り上げられている。