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「13歳までレースは絶対許してくれなかった」ジュリアーノ・アレジ22歳が明かす“ジャン・アレジ&後藤久美子の教え” 

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大串信

大串信Makoto Ogushi

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photograph byAsami Enomoto

posted2022/07/16 11:00

「13歳までレースは絶対許してくれなかった」ジュリアーノ・アレジ22歳が明かす“ジャン・アレジ&後藤久美子の教え”<Number Web> photograph by Asami Enomoto

昨年から日本を拠点にする注目のレーシングドライバー、ジュリアーノ・アレジ22歳。父は元1ドライバーのジャン・アレジ、母は女優の後藤久美子だ

「13歳のときかな。お父さんと一緒にカートを始めたんだけど、最初はレースが全然面白くなかった(笑)。なぜなら、すぐ一番高いレベルのレースに出たから。僕と走っていた人はみんな5歳、6歳ぐらいにカートを始めていたけど、僕は13歳から始めたばかり。みんな、すごい速かったし、すごいアグレッシブだったし、どうしたらいいかがわからなかった。でも、少しずつ習っていきました。父はレースに関してはすごく厳しかった」

 レーシングカート初心者のジュリアーノが放り込まれた上級クラスのレーシングカートレースで上位を競うのは、幼い頃から英才教育を受けてきた百戦錬磨のライバルたちだった。当然、初心者が対等に戦えるわけもない。しかし念願だったモータースポーツを始めたジュリアーノはその魅力に取り込まれていく。

「ドライビングが好きだったから、やめたいとは1回も思わなかった。それで15歳になったときにフォーミュラカーレースを始めた。そこから(モータースポーツが)どんどん面白くなって、リザルトもカートのときより良くなっていったんです」

 父アレジは厳しいながら、息子の成長をしっかりと支えた。

「父は、サーキットを離れれば優しくなって僕もリラックスできた。(日本でレースをするようになった)今も、毎日テレビ電話でつながって、必ずレースのことを話すんです。こういう関係は、ちっちゃい頃からずっと変わらない」

 ジュリアーノは2015年度のフランスF4選手権で4輪レースデビューを果たしている。F4は、レーシングカートを卒業して本格的に4輪レースへステップアップするための登竜門的カテゴリーである。このデビュー戦の公式予選でジュリアーノはいきなりポールポジションを獲得、そのまま決勝レースでも優勝を飾って一躍注目の若手選手となった。

 結局このシーズン、20名以上の選手が出走したフランスF4選手権シリーズをランキング4位で終えたジュリアーノは、父アレジの後押しもあって翌2016年、F1の名門フェラーリが運営するドライバー育成プログラム、フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)の一員に選抜され、F1ドライバーへ続く王道を歩み始めることとなったのだ。

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撮影=榎本麻美

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「お金もない。だから、場所はなかった」ジュリアーノ・アレジ22歳の告白《夢だったF1への絶望と日本に見出した希望》

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