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大谷翔平に味方捕手が受けた衝撃「彼には8つ、9つの球種がある」 本人が明かす好調の理由「まっすぐがいい感覚なら、いい変化球を投げられる」
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2022/07/04 17:05
6月は投手として4勝1敗と好調を維持した大谷翔平
「僕は簡単さ。座ってボールを受けるだけなんだ(笑)」
スライダーは80マイル(約129キロ)から88マイル(約142キロ)を使い分け、カーブも71マイル(約114キロ)から81マイル(約130キロ)、カットボールも84マイル(約135キロ)から91マイル(約146キロ)を投げ分ける。その上で内外角へと制球し、バックドア、フロントドアも駆使する。曲がり系の球種は緩急を含めれば6つ。更にはスプリットも大きく落とす86マイル(約138キロ)と、速く鋭い変化の92マイル(約148キロ)の2つがある。直球と合わせ打者にとっては少なくとも9つの球種があることになる。捕手のスタッシは言う。
「翔平の能力で素晴らしいのは、すべての球種をいつでも投げられること。ゲームプランを確認し、ダグアウトで話し合いながら、マウンドでは相手打者のボールの張り方を見ながら狙いを外して投げることができる。直球は95マイルから101マイルまでなんでもOK。今年は何度もやっているけど、スライダー、カーブ、カットボールのすべての球種でスピードに変化をつけることができる。彼には8つ、9つの球種があると言っていい。だから僕は簡単さ。座ってボールを受けるだけなんだ(笑)」
大谷「まっすぐがいい感覚なら、いい変化球を投げられる」
大谷は投球の基本は直球であるとした上で変化球への手応えを口にした。
「まっすぐを基本的にいい感覚で投げられていれば、あとはグリップだったりとか、軌道のイメージだったりとかで、それこそいい変化球を投げられると思っているので。まっすぐが良ければ、どの球種も問題なく投げられると思います」
さらに“曲がり系”の変化球についても言及した。
「どういうふうに投げるかよりも、どういうカウントでどこに投げるか、プラス、甘く入っても打ち取れる、ファールになったりするクオリティで投げられているかどうかが大事なので、一番はスポットかなと思います」
スライダー、カーブ、カットともにスピードに変化を持たせ、甘く入っても打ち取れるクオリティ、そしてスポットで投げる制球力。実に欲張りなところが大谷らしい。
直球とスプリットで勝負できるパワー投手の顔を持ちながら、多彩な変化球を操る技巧派としてのそれもいつの間にか身につけている。これが今季の投手・大谷の大きな特徴だ。