白川はプロレスの世界で生き残るための術を考えた。

「グラドル時代も、かわいくてスタイルがいい子はたくさんいました。でも私は、笑われても、キモいと思われてもいいから目立ちたかった。そのために面白いことをしよう、って。プロレスでも面白いことをする選手はあんまりいないから、それは狙いどころかな。プロレスは体で表現するものですけど、バラエティ番組で培った強みはしゃべりなので、いつも会見ではなにかしら目立ってやろうと思っています」

「白川未奈、強いよね」と言われたい

　フリーとして活動していた白川だが、今年から正式にスターダム所属になった。その決断の裏には、腰を据えてベルトを狙うという思いがあった。

「白いベルトが欲しい。今はとにかくワンダー・オブ・スターダムのベルトを取ることが目標です。そのうえで、チャンスがあればスターダムの選手として世界に出ていきたいですね。“世界志向”はデビューしたときからずっと変わりません」

　メキシコには、プロレスラーとしてデビューしたころに行ったことがある。スペインでも試合をした。「スペイン語は『オラ！』しか知りませんけど」と笑いつつ、プロレスラーとしての成長をこう口にする。

「気持ちは変わってきていますね。最初はお客さんを楽しませる試合ができればと思っていたんですけど、今はもっと強くなりたいと思う。ベルトは強さの象徴。だからキックのジムに通って打撃の練習も始めました。『白川未奈？　かわいいよね、面白いよね』じゃなくて、『白川未奈、強いよね』と言われたくなってきましたね」

　白川は自分に言い聞かせるように続けた。

「34歳。まだまだ強くなりたいし、なれると思います。同世代の人に元気を与えたい。同世代の女性に格好いいと言われたい。『旬は過ぎた』とか言われても関係ないですね。白川未奈はまだまだこれからです」

　まだ夢の途中だと断言して、プロレスに生きている現状を語った。

「大好きなプロレスで生活できている今は、本当に幸せ。グラドル時代は、プロモーションだからという理由でギャラが出ないこともあって、『そんなのは仕事じゃない』と親に言われたこともありました。明日食べるためのお金がないときも家族は頼れなかったので、急遽バイトを増やしたりもして（笑）。でも今はむしろ、あのころ私を突き放した親の厳しさに感謝しています。両親はまだスターダムの会場に来てくれたことはないんです。でも、いつか見に来てほしい。ここぞのベルト戦のとき、会場に呼びたいですね」

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