プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
《特別グラビア》“青学卒→グラドルデビュー”で勘当も…スターダム・白川未奈が語った両親への感謝「いつか試合を見に来てほしい」
posted2022/07/03 11:00
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
「ライガーさんを目の前にすると、自然と涙が出ちゃうんですよ。YouTubeでもご一緒したことはあるんですが、本当にずっと憧れの人です。なんか人間じゃないものに命が宿っている、って感じで……。神様みたいな存在ですね」
グラビアアイドルからプロレスラーに転身したスターダムの“闘魂Hカップグラドル”白川未奈が初めて生で観戦したプロレスに、獣神サンダー・ライガーの姿はなかった。だが、その直後にビデオで見たライガーに白川は強く感化された。
芸能界で流した涙と、プロレスとの出会い
心をときめかせて芸能界入りした白川は自慢のバストを生かして、グラビアという“特急券”を選んだ。しかし憧れていた芸能の現場は想像以上に過酷で、最初は撮影中に泣いたこともあった。そんな折、知人に誘われて初めてプロレスを見に行った。2012年10月、新日本プロレスの両国国技館大会だった。
「プロレスってすごいと感動して、その勢いでTSUTAYAに行って『スーパーJカップ』のDVDを借りたんですよ。ハヤブサさんが出ていた大会です。そのなかでもライガーさんは印象的でしたね。パワーがあって飛べるし、アニメのヒーローがそのまま実在している感じ。マスクで顔が見えなくても、喜怒哀楽がめっちゃ伝わってきました。『面白い人を見つけた!』って一気に好きになって……。私、気になったことはなんでも調べるタイプなんです。テレビのバラエティ番組でも、共演する人のことを徹底的に予習していましたから」
その後、書店で冊子がついた新日本プロレスのDVDシリーズ『燃えろ!新日本プロレス』が売られているのを見つけた。白川は新作が出るのが待ち遠しかったという。
「ライガーさんはあの橋本真也さんをライガーボムで投げたじゃないですか。本当にすごかった! G1にも出ていたし……」
当時、ライガーは全身が覆われたおなじみのコスチュームではなく、ムキムキの筋肉を披露して角のない小さなマスクでバトル・ライガーとしてヘビー級の橋本に向かっていった。「人って気持ちが入るとこんなパワーを出せるんだ」と白川は驚嘆した。
5月5日のスターダム福岡大会では、解説席にそのライガーが座っていた。
「ライガーさんの前で試合ができて、そのあとお話もできて、お酒も一緒に飲めて……。夢みたいな1日でした(笑)」
福岡での出来事を白川はそう表現した。憧れのライガーのマスクをかぶって入場して、試合ができた。6人タッグマッチだったが、試合に勝利した後、ライガーの行きつけの店に誘ってもらい、乾杯をした。うれしさのあまり、ハイボールがついつい進んでしまった。