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現役続行・アイスダンス村元哉中&高橋大輔が“新プログラム”を制作中…コーチが明かす「秋には新しい彼らをお見せしますよ」〈独占取材〉
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAFLO
posted2022/06/30 11:03
4月のスターズオンアイスに登場した村元・高橋。現役続行を表明した2人について、ズエワコーチに聞いた
ラテンリズムを2人はどう表現するか?
パターンダンスはなくなったが、リズムダンスには毎シーズン違うリズムの課題が与えられる。今季はラテンリズムで、サルサ、バチャータ、メレンゲ、マンボ、チャチャ、サンバの中から最低2種類のリズムを入れることが必須だ。
高橋はシングル時代、マンボやタンゴなど、ラテン系の音楽を演じるのが得意だった。日本人離れしたその音楽表現は、世界のジャッジから高く評価されてきた。
「ダイスケは確かにシングルのプログラムでは、ラテン音楽を表現するのがうまかった。でも二人で踊るとなると、また別物です。現在元世界チャンピオンのプロダンサーに指導を受けています」とズエワコーチは明かす。
「このように昨シーズンと一番変わったことは、周りでサポートするスタッフの数が増えたこと。もっともこれが正常な状態で、昨シーズンまではパンデミックのために人との接触を制限していたのです」
ラテンダンスの指導の他、アクロバットのプロから主にリフトなどの指導を週に1、2回受けているのだという。
「試合数を増やしていく」とズエワコーチ
3シーズン目となる今季、二人にどのようなゴールを課しているのだろうか。
「エレメンツのレベルの取りこぼしをなくすこと。そして試合で安定した演技を見せることです」とズエワコーチ。
昨シーズン、二人は驚くほどの急成長を見せた一方で、プログラムの難易度も上がり本番でのミスもあった。NHK杯で6位、11月下旬のワルシャワ杯では2位になって初の国際メダルを手に。だが全日本選手権では予想外のミスが出て、期待されていた北京オリンピックの出場を逃した。四大陸選手権でも冒頭でミスが出たがこれは得点にあまり響く部分ではなかったこともあり、日本のチームとして過去最高の銀メダルを手に。そして世界選手権は31組中16位だった。
「ダイスケに必要なのは時間ももちろんですが、本番の場数を踏むことです。幸い、今季はもうパンデミックも落ち着いたので、試合数を昨年度よりも増やす予定をしています」
二人の現在の世界ランキングは15位。GPシリーズは2戦出場できるが、それ以外のチャレンジャーシリーズや、さらに小規模なローカルの試合への出場も考えているという。