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「日本人GKのレベル低下」は真実か? 川崎Fで進化を遂げた“韓流GKの代表格”チョン・ソンリョンの見解「僕は全くそう思わない」
posted2022/07/01 11:02
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph by
Getty Images/Kiichi Matsumoto
チョン・ソンリョンが川崎フロンターレでゴールマウスを守り始めて、7シーズン目を迎えた。Jリーグで長くプレーしていることもあり、インタビューの話題は日韓両国の「GK論」にも及んだ。
日本にやってきたのは2016年。キム・ジンヒョン(セレッソ大阪)のようにすでにJリーグで長くプレーしていた韓国人GKもいたが、当時は代表クラスが日本のクラブに移籍してくることは一般的ではなかった。ただチョン・ソンリョンの活躍以降、韓国人GKを中心に外国籍選手がゴールマウスを守るチームが増えてきた印象はある。
この流れは現在も続いていると言えるだろう。
ソンリョンやジンヒョン以外にも、現役の韓国代表であるキム・スンギュ(柏レイソル)や、クォン・スンテ(鹿島アントラーズ)など代表歴のある優秀な韓国人GKが定位置を確保している。韓国人GKに限らず、ランゲラック(名古屋グランパス)、ヤクブ・スウォビィク(FC東京)、今季はJ2でプレーしているブローダーセン(横浜FC)など、外国人選手にゴールマウスを任せるクラブも主流になりつつある。
存在自体がチームの勝利に直結するような、良質な外国籍の守護神を補強する。
競争においては当然とも言える流れなのだが、その結果として日本人GKのレベル低下や、「優秀な日本人GKが出てこなくなるのでは?」という日本サッカー界の懸念も指摘され始めている。
日本人GKのレベルは低い?「僕は全くそう思わない」
ただこうした声に対してソンリョンは、「僕は全くそう思わないです」と首を振った。
「日本人GKはビルドアップもうまいし、韓国人選手が日本に来ても試合に出られないケースもあります。日本では良いGKが出てきていると思いますよ。最近だと鈴木彩艶選手(浦和レッズ)、高丘陽平選手(横浜F・マリノス)も良いGKだと思います」
彼自身、Jリーグでプレーするようになって驚いたのが、日本人GKの巧みなビルドアップ力だという。キック精度に関しては、浦和レッズの西川周作に影響を受けて様々なチャレンジしていると以前に明かしてくれたこともあった。彼自身もまた、JリーグでプレーするGKから刺激を得て、新たに学んでいるのである。