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[対戦相手は語る・ロシア]カルピン「できる限り早く忘れたかった」
posted2022/06/30 07:00
現役時代はレアル・ソシエダやバレンシアなど、ラ・リーガでも活躍。'94年アメリカW杯にも出場した。引退後はスパルタク・モスクワ、マジョルカなどを指揮した。'21年7月にロシア代表監督に
text by

アルトゥル・ペトロシアンArtur Petrosyan
photograph by
Naoyoshi Sueishi
「日本を訪れたのは、'02年W杯の時だけだ。残念ながら、その後に再訪する機会はなかった。だから私が、日本はこうだったと言っても、あまり説得力はないだろう」
現在53歳になったバレリ・カルピンに、20年前のW杯とその開催地について訊くと、彼は最初にそう断りを入れた。
「何より、私たちは観光に行ったわけではない。重要なタスクのために完璧な準備をしなければならず、スケジュールもタイトだった。だから、日本の人々の生活や文化に触れるようなチャンスはなかったんだ。
それでも、人々に手厚くもてなしてもらったことは、鮮明に覚えている。合宿した清水は、海と山に囲まれた美しい場所だった。遠征の日には、そこから世界的にも有名な高速鉄道に乗って、神戸と横浜へ行ったよ。ほぼすべてのことがスムーズに組織されている印象を持ったが、唯一、電車を降りた後のバス移動で、ひどい渋滞に巻き込まれたことを記憶している」
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