Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER

[対戦相手は語る・ベルギー]ヴィルモッツ「“いただき”と心の中で叫んだ」

posted2022/06/30 07:02

 
[対戦相手は語る・ベルギー]ヴィルモッツ「“いただき”と心の中で叫んだ」<Number Web> photograph by Shinji Akagi

日本との'02年W杯初戦では華麗なオーバーヘッド弾を決めた。'14年はベルギー代表の監督としてブラジルW杯に出場し、ベスト8。'17年にコートジボワール、'19年にはイラン代表の監督も務めた

text by

カーン・バヤズツ

カーン・バヤズツKaan Bayazıt

PROFILE

photograph by

Shinji Akagi

 キャリアで受けた手術の数は、実に12回――。日韓W杯でベルギー代表の主将を務め、計3得点を挙げたマルク・ヴィルモッツは、「本当はあのW杯には出ないつもりだった」と言う。

「日本との初戦の約3カ月ほど前に、半月板に3度目のメスを入れたんだ」と53歳になった彼は快活に振り返る。

「当然、私が本大会に間に合うとは誰も思っていなかった。すでに3度W杯を経験していたし、若手にポジションを譲りたいと考えてもいたが、監督からベンチにいるだけでいいから来てくれ、と言われたんだ」

 力強い足腰と分厚い胸板、高い得点力を兼ね備え、“雄牛”の愛称で知られた攻撃的MFは、当時の代表監督から絶大な信頼を寄せられていた。そして復帰に向けて医師と綿密なスケジュールを立て、段階的に強化試合をこなしていき、来日した時には準備が整っていた。ただし全4試合にフル出場できたのは、「日本のおかげ」とも。

「(合宿地の熊本には)素晴らしいホテルが用意され、練習施設も完璧で、人々は本当に親切だった。彼らは我々に敬意を払い、試合に出発するときは多くの市民が健闘を祈ってくれ、戻ってくる時は盛大に迎えてくれた。日本と引き分けた後でさえ、そうしてくれたんだよ! 欧州では起こり得ないことだ。私たちにとって、それはポジティブなカルチャーショックだった。また、オフには泥温泉でリカバリーをした。これで回復を早められたことは大きかったね」

 '02年6月4日、初戦で対峙した日本代表には、次のような印象を持っていた。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
Numberプレミアムクラブ会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 1269文字

Numberプレミアムクラブ会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

関連記事

マルク・ヴィルモッツ
稲本潤一
日韓W杯
ワールドカップ

サッカー日本代表の前後の記事

ページトップ