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「当然の完勝」ラグビー日本代表の次戦は世界2位フランス…注目は“荒々しさ”が戻ってきたリーチマイケルと堀江翔太の“冷めた視点”
posted2022/06/28 11:00
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Atsuhi Kondo
43対7。
完勝である。
日本代表は、来年のワールドカップ出場を決めているウルグアイを問題にしなかった。
もっとも、前週にはNDS(ナショナル・デベロップメント・スコッド)が代表を構成し、これも余裕でウルグアイに勝っていたから、「一本目」が登場して勝つのは当然だった。
勝敗よりも内容、どこに注目するかで記者の眼も問われる。
実は、試合が始まってみて、私がいちばん気になったのは——リーチ マイケルだった。
ノンキャップの若手に思えるリーチの言葉
2019年W杯の顔であるリーチは、とにかく張り切っていた。
コロナ禍のなかで、リーチはしっかりと充電をしていたと思われる。リーグワンの終盤から気力、体力の充実がうかがえ、ウルグアイ戦でも接点での猛々しさが甦っていた。
そのモチベーションの源になっていたのは、日本代表でのポジション争いに危機感を抱いていたからだろう。3月のインタビューで、リーチはこう話していた。
「日本代表についていえば、第3列の競争がかなり激しくなってます。本来は第3列の選手がロックに回るくらいですから(ウルグアイとの第2戦でもジャック・コーネルセンが4番で登場)。自分もベストの状態を作ってアピールしないといけないです」
この言葉だけを聞いていたら、W杯3大会連続出場したベテランではなく、ノンキャップの若手に思えるほどだ。