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ウェールズ、W杯へ。ここに、いまなお。
posted2022/06/24 07:00
text by
藤島大Dai Fujishima
photograph by
Getty Images
前線兵士の寄せ書きの旗が控室に掲げられた。人情はボールより重い。世界はウクライナの勝利を願った。
枠内へのシュートは「9対2」。コーナーキックが「7対4」。でも負けた。6月6日。英国のカーディフ。ワールドカップ出場のかかるプレーオフを制したのは真紅のシャツ、ウェールズだった。
ウクライナのオレクサンドル・カラバエフが対戦前の会見で話した。「スポーツはスポーツ。贈り物やアンフェアな白星は期待しない」(AP)。正しかった。スポーツはスポーツでフットボールはまたしてもフットボールだった。
つなぎ、崩し、阻まれ、FKを頭で跳ねのけようと身を投げ出すキャプテンの使命感は無慈悲なオウンゴールとなった。