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トイレ掃除、井上尚弥も食べた梅干し、嵐のパワーソング「いいことはなんでもやってみよう」ロッテ小島和哉が10度目で掴んだ“1勝”の価値 

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千葉ロッテマリーンズ取材班

千葉ロッテマリーンズ取材班Chiba Lotte Marines

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posted2022/06/20 11:00

トイレ掃除、井上尚弥も食べた梅干し、嵐のパワーソング「いいことはなんでもやってみよう」ロッテ小島和哉が10度目で掴んだ“1勝”の価値<Number Web> photograph by Chiba Lotte Marines

7月7日に26歳になる小島和哉投手。さらなる飛躍が期待された今季はなかなか白星に恵まれなかったが、6月10日にようやく今季初勝利を挙げた

 だが、試合は行われなかった。朝から雨が降りしきり、試合開始前早々に雨天中止が決定。小島の今季初先発は次カードの福岡ソフトバンクホークスとの3連戦の2戦目に組み込まれることになった。

「たられば」は勝負の世界では禁止だが、小島にとって恨めしい雨となったのは間違いない。この日に1年がスタートすると照準を合わせ心も身体も最高潮に持ってきていたが一度、リセット。再度、気持ちを入れ直し次のカードへと向かうことになった。しかし、そこから“勝てない日々”が始まった。

 初先発は6回2失点(自責は1)で勝敗はつかなかった。2度も打球を身体に当てるなど、どこか流れの悪い試合だった。その後も好投すれども白星を掴めない日々が続いた。3度目の正直とばかりに迎えた4月19日埼玉西武ライオンズ戦(ベルーナドーム)は6回4失点の負け投手だった。

「勝てないピッチングをしていたのは事実です。先制をしてもらってすぐに追いつかれる。1点リードをしてもらうとこのリードを守らないといけないという気持ちで腕が縮こまってホームランを打たれる。先頭に四球を出す。球数は多い。まず、やっぱり最初に出た感情は自分に対するいら立ち。同じ失敗を繰り返していましたから。自分にイライラしていました。腹が立ちました」

すぐに取り返せない、憂鬱な6日間

 野手や中継ぎ、抑えであれば失敗をしても、翌日に取り返すことも出来る。しかし、先発は登板後、中6日を空けて次の機会が訪れる。この6日間が苦しかった。色々な事を考え、心は動いた。勝てない。また6日間の憂鬱。悶々とした日々が続いた。

「すごく周りの方に気を使わせてしまっているのは分かりました。本当に色々な人に心配をしてもらって、声をかけてもらった」

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