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“日本戦必勝モード”コスタリカは「相手がすべてW杯優勝国・魔の組首位→8強」経験あり… 世界的GKナバス以外の“難敵要素と弱点” 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byMatthew Ashton - AMA/Getty Images

posted2022/06/19 17:02

“日本戦必勝モード”コスタリカは「相手がすべてW杯優勝国・魔の組首位→8強」経験あり… 世界的GKナバス以外の“難敵要素と弱点”<Number Web> photograph by Matthew Ashton - AMA/Getty Images

カタールW杯行き32枚目の切符を手に入れたコスタリカ。世界的守護神ナバスをはじめ、絶対に侮れない相手である

 北中米カリブ海最終予選は8カ国によるホーム&アウェー方式で行なわれ、3位までが出場権を獲得し、4位はオセアニア首位との大陸間プレーオフへ回る。

 コスタリカは、最初の7試合を1勝3分3敗という惨憺たる成績で折り返す。しかし、その後、スアレス監督が思い切って若手を抜擢し、1分を挟んで6連勝。通算7勝4分3敗まで持ち直し、勝ち点で3位アメリカと並んだが、得失点差で4位となった。そして、ニュージーランドにも苦戦を強いられたが、辛うじて勝ち切ったのである。

過去5大会出場したW杯での戦績を振り返ってみる

 コスタリカとは、スペイン語で「富める海岸」を意味する。メキシコとコロンビアに挟まれた中米のほぼ真ん中に位置し、1821年にスペインから独立した。国土面積は日本の7分の1以下で、人口は約510万人。首都サンホセの人口は35万人程度に過ぎない。

 最大の人気スポーツはフットボールで、代表チームの愛称は「ロス・ティコス」(コスタリカ人の意味)もしくは「ラ・セレ」(セレクシオン=スペイン語で代表チーム=の短縮形)である。そんなチームの主な国際大会の成績を振り返ってみる。

 W杯には1990年大会に初出場。GSでスコットランド、スウェーデンを倒して2位に食い込んで世界を驚かせた。しかしラウンド16でチェコスロバキアに1-4と大敗を喫して大会を後にした。

 1994年と1998年のW杯は予選で敗退したものの、2001年のコパ・アメリカ(南米選手権)に招待されると、ホンジュラスとボリビアを倒し、ウルグアイと引き分けてGSを首位で突破。準々決勝でウルグアイと再戦して1-2で敗れた。

 2002年大会の予選は、首位で突破する。そして、GSで1勝1分1敗と健闘してトルコ(この大会で3位に躍進)と勝ち点で並んだが、得失点差で敗退した。2006年大会も予選を3位で突破したが、本番のGSでは3戦全敗で最下位。2010年大会は、予選で敗退した。

ウルグアイ、イタリア、イングランド相手に首位通過

 コスタリカが特大のセンセーションを巻き起こしたのが、2014年ブラジル大会である。 

 予選を2位で突破して国中の期待を集めたが、過去4回優勝のイタリア、2回優勝のウルグアイ、1回優勝のイングランドと世界の頂点を極めたことがある強豪国が集まった「魔の組」に組み入れられてしまう。世界中のフットボール関係者、メディア、ファンの誰もがコスタリカの全敗と最下位を予想した。 

 ところが、果敢な攻撃とGKナバスの驚異的なセーブなどでウルグアイを3-1、イタリアを1-0と撃破。イングランドと引き分け、GSを首位で突破して世界を驚愕させた。

 さらに、ラウンド16でギリシャを延長、PK戦の末に破ってベスト8入り。準々決勝でオランダに延長、PK戦の末に敗れたが、奇跡としか言いようのない戦いぶりだった。このときの“奇跡のメンバー”が、今年の大会に6人出場する。 

2018年大会も予選を突破したが、W杯では1分2敗でGS最下位だった。 

【次ページ】 フォーメーションは使い分けてくる?(図あり)

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