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“日本戦必勝モード”コスタリカは「相手がすべてW杯優勝国・魔の組首位→8強」経験あり… 世界的GKナバス以外の“難敵要素と弱点” 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byMatthew Ashton - AMA/Getty Images

posted2022/06/19 17:02

“日本戦必勝モード”コスタリカは「相手がすべてW杯優勝国・魔の組首位→8強」経験あり… 世界的GKナバス以外の“難敵要素と弱点”<Number Web> photograph by Matthew Ashton - AMA/Getty Images

カタールW杯行き32枚目の切符を手に入れたコスタリカ。世界的守護神ナバスをはじめ、絶対に侮れない相手である

 2列目の左サイドを担当するヘウィソン・ベネッテ(エレディアノ=コスタリカ)はドリブル突破が得意なアタッカーで、ニュージーランド戦の翌日に18歳となった。2トップは、キャンベルとアントニー・コントレラス(グアナカステカ=コスタリカ)。いずれも大柄ではないが、スピードがあり、決定力が高い。

ニュージーランド戦を振り返ると明確なチームスタイルが

 ニュージーランド戦の前半3分、自陣左サイドのスローインをベネッテが受け、ドリブルで縦へ突破して低いクロス。ゴール前へ走り込んだキャンベルがDF2人に競り勝って左足で合わせ、ファーサイドの隅へ流し込んだ。

 スタンドの数千人のコスタリカ人ファンが飛び上がって喜び、「シ・セ・プエデ」(俺たちはきっとできる)コールを繰り返す。

 しかし、その後はニュージーランドに中盤を支配されて劣勢となる。ニュージーランドは、6カ国が参加したオセアニア予選のファーストステージを3戦全勝で突破し、準決勝でタヒチを1-0、決勝でソロモン諸島を5-0で下して大陸間プレーオフ進出を決めた。高さ、強さがあるだけでなく、きちんとパスをつなぐスタイルを志向しており、なかなか手強い。

 スタンドのニュージーランド人ファンからは「オール・ホワイツ」コールが起きた。この国のラグビー代表は黒ずくめで「オール・ブラックス」と呼ばれるが、フットボール代表は白ずくめなのだ。

 前半39分に左サイドを突破し、エースストライカーのクリス・ウッド(ニューカッスル)がシュートを決めた。しかし、VAR判定の結果、左サイドで反則があったとして取り消された。

 その後もニュージーランドが押し気味だったが、後半24分、9分前に交代出場したばかりのFWコスタ・バルバルセス(シドニーFC)がコスタリカ選手への危険なファウルで一発退場。以後、コスタリカは適度に攻めて時間を使う。ニュージーランドは強烈なミドルシュートを放つが、GKナバスのファインセーブに阻まれる。結局、コスタリカが虎の子の1点を守り切った。

数万人がW杯出場を祝ったが予選は茨の道だった

 コスタリカ時間では14日の午後だったが、首都サンホセでは数万人が市の中心部へ繰り出し、国旗を振り回し、歌い踊ってW杯出場を祝った。

 試合後、殊勲のキャンベルは「W杯予選が始まってから、僕たちはほとんど誰からも信用されていなかった。でも、自分たちの力を信じて戦い続けた」と語った。

 しかし、この国のメディアと国民が代表チームを信頼し切れなかったのも無理はない。

【次ページ】 過去5大会出場したW杯での戦績を振り返ってみる

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