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加藤一二三43歳から“21歳で名人奪取”、ライバル羽生善治の“七冠”を阪神大震災直後に阻止… 谷川浩司「光速の天才伝説」〈十七世名人〉 

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田丸昇

田丸昇Noboru Tamaru

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posted2022/06/15 11:01

加藤一二三43歳から“21歳で名人奪取”、ライバル羽生善治の“七冠”を阪神大震災直後に阻止… 谷川浩司「光速の天才伝説」〈十七世名人〉<Number Web> photograph by BUNGEISHUNJU

羽生善治九段と対局する谷川浩司九段

 1996年度のA級順位戦で、谷川竜王は8勝1敗という抜群の成績を挙げ、名人戦で羽生名人に挑戦した。そして、1997年6月に羽生を4勝2敗で破り、2回目の名人復位を果たした。

 谷川は名人在位が通算5期となり、規定によって十七世名人の資格を取得した。

 1997年7月に谷川名人の就位式が神戸のホテルで盛大に開かれた。谷川は謝辞で「去年は無冠を味わいました。今回の名人は特別な感慨があります。将棋が強くなったかどうかは、あまり自信がないのですが、精神力だけは少し強くなったかと思います」と挨拶した。

60歳となった今も、現役棋士として健在

 谷川十七世名人は、タイトル獲得が通算27期、公式戦の通算勝利が1364勝(6月10日時点)と、素晴らしい実績を挙げている。「飛翔流」や「光速流」と呼ばれる将棋は、格調がとても高い。60歳になった現在も、現役棋士として健在である。

 藤井五冠は2016年9月に最年少記録の14歳2カ月で四段昇段を決めた記者会見で、「憧れの棋士は、光速の寄せが代名詞の谷川先生です」と語った。

 谷川は十七世名人の襲位について、「将棋の進化に寄与していき、若手棋士との盤上での対話を楽しめるように、これからも精進してゆく所存です」と述べた。

〈第1回から続く〉

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「ぼくのゆめは、しょうぎ名人だ」小学校3年での決意を21歳で現実に…「中学生棋士」谷川浩司と藤井聡太に共通する“母親の支え”

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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