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コンビ結成は「インスタのDMから」…なぜ日本の女子選手は“ダブルスの名手”から好かれるのか?〈24歳柴原瑛菜が全仏制覇〉
posted2022/06/05 11:05
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph by
Hiromasa Mano
グランドスラム大会には通常の男女それぞれのツアーにはないミックスダブルスという種目がある。オリンピックでも2012年のロンドン大会でこの種目が復活して話題になった。
このミックスダブルスを制した日本の女子は過去に2人いて、一人は1997年全仏オープンで優勝した平木理化、もう一人は1999年の全米オープンでの杉山愛だ。パートナーはいずれもインドの元世界ダブルス・ナンバーワンのマヘシュ・ブパシだった。
ブパシは一つ年下の杉山との優勝会見で、記者たちに向かってこう言ったものだ。
「日本の女性は僕に幸運を呼んでくれる」
2016年に引退したブパシは、19年のキャリアを通して27人のパートナーとミックスダブルスに出場し、うち7人のパートナーと合計8つのタイトルを獲った。その1つ目と2つ目のときのパートナーがそれぞれ平木と杉山だったのだ。
そして杉山とブパシの優勝から23年、フランスのパリで開催されている全仏オープンで24歳の柴原瑛菜が日本女子3人目のミックスダブルス・チャンピオンになった。
男子選手から「インスタグラムのDM」で勧誘されて
パートナーは、オランダの33歳ウェスリー・コールホフ。ATPのダブルスランキング11位で、2020年11月には自己最高の5位をマークしているダブルス・スペシャリストだ。男子ダブルスでは2020年の全米オープンで準優勝したが、混合ダブルスは2019年のウィンブルドンと翌年のこの全仏オープンでベスト4に進出したのが最高だった。そんなコールホフのほうから5月初めのマドリード大会の前に柴原にインスタグラムのダイレクトメッセージで誘いがあり、柴原が快諾してコンビ結成となったそうだ。