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大谷翔平に敗れた敵軍主砲「脱帽するしかない。どの球種も強烈な力がある」 対戦した選手たちが口を揃えて語った“投手オオタニの凄まじさ”
posted2022/05/15 17:02
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Getty Images
ちょっと前のことになる。
5月5日、ボストン・フェンウエイパーク。大谷翔平が成し遂げた歴史的な投打同時出場は、100年の年月が過ぎても語り継がれていく野球界のメモリアルとなった。
その二刀流の奮闘に、米国で戦う男たちが敵味方を超え、あらゆる立場で賛辞を贈っている。今回はそんな声をまとめてみたい。
マドン監督「彼がやっていることはどれだけ普通でないことか」
二刀流の聖地。それがボストン・フェンウエイパーク。大谷は「3番・投手兼DH」で出場した。1912年開場、メジャー最古の球場で投手が4番までに名を連ねたのは、当時レッドソックスに在籍した元祖二刀流・ベーブ・ルース以来103年ぶりのこと。この歴史的事実の中で大谷は7回を無失点、無四球、11奪三振の快投で3勝目。打者としても2安打1打点で自らを援護した。試合後、能弁で知られるジョー・マドン監督はいつも以上に熱弁をふるった。
「まずは、これを当然のことと思わないで欲しい。彼がやってのけていることがどれだけ普通でないことなのか。そういうことをみなさんに理解して欲しいと私は願っている」
マドン監督の発言は歴史的快挙だけを指して言っているのではなかった。大谷がどれだけ厳しい状況でこの試合に挑んだのか。それをまずは理解して欲しいと指揮官は訴えたのだった。
「このゲームは別世界だった。この1週間で最も難しいゲームだった。(前の遠征地シカゴで)彼は足に少し違和感を覚え、寒波にも見舞われ、雨で試合の遅延もあった。昨夜は夜の11時まで試合があった。この状況(14時間半後のデーゲーム)で彼は今年一番の投球を見せた。この1週間がいかに大変な状況だったのか。その中で彼が成し遂げたことを理解してほしいんだ」