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大谷翔平に敗れた敵軍主砲「脱帽するしかない。どの球種も強烈な力がある」 対戦した選手たちが口を揃えて語った“投手オオタニの凄まじさ”
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2022/05/15 17:02
5月5日のレッドソックス戦で歴史的な活躍を見せた大谷翔平。敵味方を問わず、多くの野球人が賛辞を贈っている
敵軍の主砲「脱帽するしかない。どの球種も強烈な力がある」
強力打線として知られるレッドソックス相手に99球を投げ、ストライク率は81.8%の81球、空振り数29はともにキャリアハイの数字となった。それだけでなく、今季メジャーの先発投手において、ともに最高の数字を記録した。週に1度、ローテーション投手として投げるだけでも別格の成績であるのに、大谷は二刀流として、毎試合に出場を続けた上でマークした。しかも悪条件も重なっていた。大谷が異次元であるが故に、大谷なら当たり前。そんなふうに捉えるなと、指揮官は叫び続けたのだった。
敵軍ベンチでは、主砲のJD・マルチネスが「脱帽するしかない」と話した上で、最速100.3マイル(約161キロ)をマークし、11三振を奪った投手大谷の異次元の力を説明していた。
「彼の球はすべてが予測不能だ。直球はツーシームしたり、カットしたりもする。スライダーもフロントから曲がってきたり、ベース上を大きく横切っていくものもある。スプリットも今までと違う動きを見せていた。球種が平均以上に多く、どの球種も強烈な力がある。手強い投手としか言いようがない」
相手先発左腕「大谷はメジャーリーグで最高の選手だ」
42歳の先発左腕リッチ・ヒルは負けん気が強い投手として知られる。この日も大谷への闘争心を表し、気迫あふれる投球で5回を1安打無失点。内容では互角以上の投球を見せた。しかし、試合後は大谷へ畏敬の念を示し続けた。
「大谷はメジャーリーグで最高の選手だ。それは世の中のみんなが一致している意見だと私は思う。我々は目撃できていることに感謝しなければならないと思う。これは100年間も見られなかったことなんだ。そして、今後100年間は見られないことなのかもしれないのだから」
翌日以降、本拠地アナハイムに戻ってからも大谷への賛辞は続いていた。エンゼルスの主砲、アンソニー・レンドンは「ショウヘイはショウヘイさ。いつも通りのことをやっただけ」と笑ったが、報道陣に“少しは放っておいてあげなよ”と言いたげに、彼らしい口調で話した。