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「本当はな、大空スバル式羊殺しはやりたくなかった」“イロモノ扱い”されたグレート-O-カーンが“愚民の掌返し”を確信していたワケ

posted2022/04/30 17:03

 
「本当はな、大空スバル式羊殺しはやりたくなかった」“イロモノ扱い”されたグレート-O-カーンが“愚民の掌返し”を確信していたワケ<Number Web> photograph by Masashi Hara

「リングには外のものをあまり持ち込みたくない」と語るグレート-O-カーン。女児を救出した一件も「プロレスとは関係ない」と割り切っている

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原壮史

原壮史Masashi Hara

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Masashi Hara

3月某日、酔った男性に絡まれていた女児を救出し、さらに4月にはIWGPタッグ王座も獲得するなど、一躍名を上げた新日本プロレスのグレート-O-カーン(以下、オーカーン)。警察から感謝状を受け取った帝国の支配者は、漫画・アニメ好きであることを包み隠さず公言する“オタクレスラー”でもある。インタビュー後編では、そんなオーカーンの謎めいたルーツと、代名詞となった必殺技「大空スバル式羊殺し」が生まれた経緯に迫った。(全2回の2回目/前編へ)

 じつは、オーカーンと同じように漫画やアニメをこよなく愛するレスラーが話題になったことがある。花咲徳栄高校卒業後、日本大学のレスリング部で名を馳せた岡倫之(おか・ともゆき)だ。「岡さんをご存知ですか?」と水を向けると、オーカーンは神妙な表情でこう口にした。

「うむ。なんか取材を受けるとよく出るんだよ、その名前が」

『僕は友達が少ない』の柏崎星奈のイラストが描かれたシャツや『けいおん!』のショートパンツを着用し、大量の漫画に囲まれて寮生活を過ごしていた岡は、ある動画で「徳栄の恥、日大の恥」と言われながらも、好きなものを貫くことの大切さを説いていた。

 好きなものを隠さずに、さらに強さも見せ続ける。そんな岡の姿は、現在のオーカーンと重なる部分があるのではないだろうか。

「そうじゃな。今では『アニメが好き』と言っても、もう一般的になっていて『ああ、そうなんだ』で終わることも増えたと思うのだよ。だが、時代を遡れば遡るほど、そうではなかったはずだ。調べたところによると、その岡ってやつは強かったんだろ?」

 当時の岡は、2012年のレスリング全日本選手権(フリースタイル120kg級)優勝をはじめ、アマチュア格闘技の世界で輝かしい戦績を残していた。

「強さでは、部活を、学校を代表する存在だったのに『ふざけている』と思われて、そいつは部長になれなかったらしい。『部長の格ではない』と。他にも、強かったけれど心が優しかった岡は、そういう趣味のせいで校内いじめのようなものを受けていたそうじゃ……。不遇の時代だな。昔よりマシになったとはいえ、今でもそういうことはあるのだろうな」

「大空スバル式羊殺し」が生まれた経緯とは?

 オーカーンは自分のことのように岡への共感を示しつつ、バーチャルYouTuberの名前を冠した必殺技「大空スバル式羊殺し」が生まれた経緯を明かした。

【次ページ】 衝撃の告白「大空スバル式羊殺しはやりたくなかった」

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