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《ブンデスでゴール量産・日本代表待望論も》奥川雅也がバイエルン相手に感じた“W杯ドイツ戦の勝機”「油断する時間帯があるというか…」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAtsushi Iio
posted2022/04/27 17:03
今季ブンデス第31節終了時点で8得点と充実のシーズンを送る奥川雅也。現地ドイツでインタビューに応じてくれた
本人は“自分の一番の強み”を何だと思っている?
――今、自分の一番の強みはなんだと思っていますか?
「相手DFとの駆け引きやポジショニング、ゴールに直結する動き出しはドイツに来て武器になってきたと感じています。ここしかないというスペースを見つける能力というか。あとは、少ないチャンスをゴールに結びつけるところも武器になりつつあるなって」
――ウイングやインサイドハーフ、トップ下など、いろいろなポジションでプレーできるうえに、ここという場面で決められる?
「そういう選手になれるように意識していますね」
――そもそも昨シーズンはザルツブルクからのレンタル移籍でした。なぜ、ビーレフェルトへの完全移籍に踏み切ったのでしょうか? 他の選択肢もあったのでは?
「昨年、ドイツのリーグに触れてみて、どのチームもレベルが高いですし、選手個人のクオリティも高いので、このリーグなら成長できるな、と感じたんです。ビーレフェルト自体は難しいサッカーをしていたので迷ったんですけど、監督から信頼されていると感じましたし、途中からしか力を貸せなかったので、1年を通してチームに貢献したいという思いが徐々に芽生えてきて。クラブが僕のことを完全移籍で欲しいと言ってくれたことも大きな要因でしたね」
――昨日のバイエルン戦(4月17日)のあと、相手チームのダヨ・ウパメカノと話していましたね。彼とはともにザルツブルクから期限付き移籍したリーフェリングでプレーした仲ですよね。どんな話をしたんですか?
「いや、『調子どう?』くらいですよ。彼は当時からポテンシャルがすごくあって。ただ、考え方はちょっと若かったですけどね(笑)。でも、16歳の頃から今くらいの体型でしたから。『フランス代表になるやろな』と思ってましたけど、ここまで上り詰めるとは。テレビで観るより、昨日みたいに対戦すると、より刺激になりますね」
スペインにチャレンジしたい気持ちは変わらない
――奥川選手はドイツで上り詰めたい? それとも将来はこのリーグで、という目標はあるんですか?
「ずっとスペインと言っていて、それは変わらないですね。リーグの総合力で言うと、ドイツのほうが高いと思うんですけど、スペインのサッカーが好きなので。今は走力の部分とか、ドイツでやっているからこそ身につけられる能力を磨きつつ、将来はスペインにチャレンジしたいと思っています」
――スペインのサッカーに憧れるきっかけは?
「(京都)サンガのジュニアユース時代にスペインに遠征して、バルセロナとも試合をしたんですけど、故郷のような感じがしたというか。試合をしていて心地よくて、すごくフィットしたんです。言葉で説明するのは難しいんですけど。そのときにスペインの指導者が練習を見てくれて世界観も変わった。その経験がスペインでやりたいという原点なので、スペインのトップレベルに触れたいな、っていう気持ちがあります」