Jをめぐる冒険BACK NUMBER
《ブンデスでゴール量産・日本代表待望論も》奥川雅也がバイエルン相手に感じた“W杯ドイツ戦の勝機”「油断する時間帯があるというか…」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAtsushi Iio
posted2022/04/27 17:03
今季ブンデス第31節終了時点で8得点と充実のシーズンを送る奥川雅也。現地ドイツでインタビューに応じてくれた
ここまでの8ゴールの中で気に入っているのは?
――ここまでの8ゴールの中で気に入っているゴールは?
「シュツットガルト戦(21年11月6日)ですね。立ち上がりから僕たちのペースで進んでいて、20番の選手(パトリック・ビマー)がセンターライン付近でボールを持ったとき、僕としては『ここしかない』というタイミングで動き出してディフェンスの裏を取って。『ここに来たら完璧やな』と思っていたところにボールが来た。僕のファーストタッチも良かったですし、難しいタイミングやったと思うんですけど、パサーとうまく意思疎通できたので気持ち良かったですね」
――以前、スルーパスからの抜け出しは「子どもの頃から得意だった」と言っていましたよね。でも一時期、ドリブラーという見られ方をされたり、今はユーティリティ・プレーヤーとしても見られている。ゴールゲッターという意識はないんですか?
「まあ、小さい頃からいろんなポジションをしてきたので。相手の裏に抜けるというのも、サッカーを始めてから得意なプレーで。相手の裏をかいたり、いいタイミングで動き出したりするのは、もともとできていたというか。ここに来て、すごく研ぎ澄まされてきましたけど、こっちに来てやり出したわけではないので」
――出し手がいれば、いつでもできると。
「周りの人からも結果が必要だと言われていたので、『もっとゴールに』という意識になって裏に抜け出すことが多くなっているのかな、と思います」
チームメイトから「シュートうまいと思うよ」と言われて
――現地の報道では、3月の時点でシュート約3本に1点の割合でゴールを決めていると。チャンス自体も少ないなかで、かなりの決定率だと思います。決め切るときの集中力を高めるために意識していることはありますか?
「もともとシュートがあまり得意というわけではなく、そもそも打つこと自体が少なかったんですよ。相手を抜いて、ゴールまで近づいて、ゴールにパスするような感じだったので。でも、こっちでは簡単には抜かせてくれないので、遠めからもシュートを打ってみたり。それも課題だと思っていたんですけど、チームメイトから『シュートうまいと思うよ』って言われて、シュート練習を重点的にやりました。ザルツで9点決められたのも自信になっていて、ゴール前で焦ることがないので」
――落ち着いて狙えているんですね。遠めと言えば、フライブルク戦(22年1月8日)での無回転のミドルシュートも鮮やかでした。
「無回転はシュート練習でも打ってます。あの試合はかなりバタバタした展開だったので、どこかで一発打って、流れを変えたいと思っていた中で、いいところにボールが来た。練習通りにいったので、ああいう遠めのシュートをもっと増やしていきたいですね」