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《独占インタビュー》武尊「一番強くなってる実感がある」 那須川天心戦、対策よりも“闘い方は変えない”と断言した理由
posted2022/04/27 11:05
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
格闘技大会の記者会見で、詐欺への注意喚起を聞くことになるとは思わなかった。
6月19日、東京ドームで開催される『THE MATCH 2022』。那須川天心と武尊の“世紀の一戦”をメインイベントとする大会だけに、以前から「自分に頼んでもらえたら確実にチケットが取れる」といった詐欺行為が横行していたという。
4月7日、22日と2度の会見で、大会実行委員の1人である榊原信行氏が「チケットは公式の販売でしか取れません」とコメントしている。先行抽選の申し込みは8万枚以上。榊原氏によると「たいがい(の人が)買えてないと思います」。話題になった300万円の最前列席も、用意した枚数の4、5倍の応募があったそうだ。
那須川vs.武尊は、それだけ魅力のあるカード。加えて17日の会見で、チケットのバリューはさらに上がったと見ていいだろう。この日、発表されたのは那須川と武尊それぞれのホームリングであるRISE、K-1の対抗戦。鈴木真彦vs.金子晃大の55kg王者対決をはじめ、看板選手ばかりが名を連ねた8試合だ。
「RISEvs.K-1」団体を背負っての大将戦へ
「夢のカード、格闘技ファンなら一度は妄想したような試合が実現します」
そう語ったのは K-1の中村拓己プロデューサー。RISE・伊藤隆代表も中村プロデューサーも、勝敗予想は「全勝です」と口を揃えた。「今までと違って団体を背負っての闘いだし、チャンピオンとしてこの階級の選手たちも背負って闘います」と語ったのは K-1王者の金子だ。
「RISEを見せて見せて見せて、メインにつなげます」
これは先日、那須川のRISE卒業マッチで対戦した風音のコメント。今回、風音は K-1の黒田斗真とトーナメント優勝者対決が決まった。風音の言葉通り、那須川と武尊にはRISEvs.K-1の大将戦という意味合いも出てきた。
「K-1を背負う。K-1最強を証明する」
武尊が以前から言ってきたことだ。この試合に向け、2月にK-1東京体育館大会でエキシビションマッチを行なった時も、K-1の会場、ファンと選手たちからエネルギーをもらったと語っている。
舞台は整った。あとは練習を重ねて万全の状態で試合を迎えるだけだ。4月7日の会見に出席した那須川は「ここまできて言うことはありません。何が何でも勝ちます、それだけです」と語っている。