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《独占インタビュー》武尊「一番強くなってる実感がある」 那須川天心戦、対策よりも“闘い方は変えない”と断言した理由 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byNorihiro Hashimoto

posted2022/04/27 11:05

《独占インタビュー》武尊「一番強くなってる実感がある」 那須川天心戦、対策よりも“闘い方は変えない”と断言した理由<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

6.19那須川天心戦『THE MATCH 2022』会見を終え独占インタビューに応じた武尊

「自分のスタイルを貫くのが一番強い」

 試合の2カ月前までは新しい練習にも取り組み、武器を増やしベースを高める。それ以降はいつも通りの練習に入るそうだ。相手によって大きく練習内容や作戦を変えることはない。

「対策はもちろんしなきゃいけないんですけど、僕は相手に合わせるというより自分の闘いを貫くタイプ。それで相手をのみ込んでしまうのが僕のスタイルなんです。あんまり相手によって闘い方が変わることはないですね。それは今回も同じです。自分のスタイルを貫くのが一番強いと思ってます」

 ここまで、敗戦は若手時代の1つだけ。それでも対策を考えすぎて「失敗したこともあります」。2月のK-1、軍司泰斗とのエキシビションでは、那須川戦の体重設定(前日計量58kg、当日4kg戻し=62kg)に合わせた調整を試し、微調整の必要を感じたそうだ。積み上げた白星、KOも、実は試行錯誤の結果なのである。

 そのファイトスタイルは、常に相手に圧力をかけ、パンチ主体の攻撃を浴びせていくというもの。攻撃ありき、KO最優先。闘いながら相手の闘志を感じると「死んでもいい」と打ち合いを挑む。死んでもいいという気持ちがあるから殺しにいくこともできる。そういう選手だ。

「僕は会場が大きいほうがテンションが上がるし、大舞台のほうが強いんです」とも武尊は語っている。

「(K-1の年間最大のイベントである)K'FESTAはトーナメント決勝、ワンマッチとKOしてますし、RIZINに出た時も(新生)K-1デビュー戦も派手なKOで勝ってます。初めての大きな会場ではKO率が上がるんですよね」

武尊が語る「自分の一番の武器」

 そうした面も含めて、やはり武尊はメンタルで闘うタイプだ。

「格闘技は気持ちの勝負だと思ってます。そこが自分の一番の武器。その気持ちというのは、試合までの期間に練習がどれだけできるか、どれだけ自分を追い込んで高められるかも含めてですね。気持ち次第で普段の練習や生活まで変わってくるんです。そしてそれが全部、試合に出る」

 練習、生活、すべてが最高潮の日々を武尊は過ごしている。那須川は前に出て闘うこともカウンターを狙うことも可能。その“出方”が注目されるところではある。ただ那須川が何をしても、武尊がやること自体は変わらない。6月19日、東京ドームでの武尊はこれまでと同じで、なおかつ過去最強の姿で那須川天心の前に立つことになる。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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