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20歳佐々木朗希のパーフェクトを止めるのは誰か? リベンジ誓うオリックス戦士3人の証言「去年とは別人」「大谷君もすごかったですけど…」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph bySankei Shimbun
posted2022/04/23 11:02
ロッテ佐々木朗希に3三振を喫したオリックス吉田正尚。潔く賞賛の言葉を並べたが、「もう切り替えている」と次戦への意気込みを力強く語った
あの日、3番・DHで出場した吉田正尚の打席を改めて振り返る。
●第1打席(1回表)
S 160キロのストレートを見逃し
S 147キロのフォークを空振り
S 148キロのフォークを空振り 三振
●第2打席(4回表)
S 127キロのカーブを見逃し
S 124キロのカーブを空振り
S 148キロのフォークをファール
S 149キロのフォークを空振り 三振
●第3打席(7回表)
S 162キロのストレートを見逃し
B 159キロのストレート
B 160キロのストレート
S 144キロのフォークを空振り
S 163キロのストレートを見逃し 三振
過去2年連続首位打者で、三振が極めて少ない選手だ。今年もあの試合を迎えるまでは14試合でわずか1三振だった。その吉田が、佐々木に3打席連続三振を喫した。
「1打席目はフォークをしっかり振ってしまったので、2打席目はそのフォークが、くる前になんとか打とうと思ったんですけど、カーブ2球でタイミングを外されて。で、最後フォークでストンと落とされた。3打席目は早めに仕掛けなあかんと思って行ったんですけども、また追い込まれた。で、フォークくるかなと思ったら、最後はズバッと、まっすぐがきた。本当に1打席1打席、しっかり配球もされていました。
佐々木君に関しては、去年より明らかに、リリースが前にきています。何が変わったかというと、たぶんそこだと思う。それによる球の強さというのは感じました」
1番・後藤「大谷君もすごかったですけど……」
1番・ライトで出場していた後藤駿太は、「ワクワクした」と振り返る。
「僕は初めての対戦だったんですけど、すごかったですね、マジで。まっすぐは速いし、フォークめっちゃ落ちるし。すごいピッチャーだというのはわかっていたことなんで、その中でも攻める姿勢は忘れずに打席に立とうと思って、3打席迎えたんですけど……。悔しかったですけどね、打てなくて。でも、福田(周平)も試合後に『楽しかった』と言っていましたけど、僕もそういう気持ちがあって、すごくワクワクして打席に立ちました」
佐々木は、プロで何年も経験のある選手たちさえも野球少年の心にしてしまう。
日本ハム時代の大谷翔平(エンゼルス)とも対戦経験のある後藤は言う。
「大谷君もすごかったですけど、佐々木君も雰囲気がありますよね。マウンドでの姿とか。2人とも、ゾーンの中で、どんどんストライク先行で『打ってみろ』みたいな感じで投げてくる。だからすごく威圧感があります。どっちがいいとかはわからないですけど、どっちもすごいピッチャー。佐々木君はボール球が少なく、どんどんストライク先行で投げて、あれだけ三振を取れるというのは本当にすごい。球で圧倒されますね、単純に。
大谷君のほうが体がでかかったイメージはありますけど、佐々木君はまた違った、すごいオーラが出ているのを感じました。なんというか、そういう星のもとに生まれている、という感じです。そういうピッチャーと対戦するのは、やっぱりワクワクするし、本当に楽しかったですよ」