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「初めて日本人がバルサのカンプノウで勝利」歴史的瞬間を撮った… 鎌田大地のアシストと献身に感動した理由〈長谷部誠も出場〉
posted2022/04/20 11:02
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
スペインを中心にヨーロッパ各国でフットボールの撮影をする日本人フォトグラファー中島大介氏。鎌田大地と長谷部誠が在籍するフランクフルトが、ELでバルサの本拠カンプノウに乗り込んだ一戦を、現場の空気を臨場感たっぷりにお届けする(外部サイトでご覧の方は関連記事などの「新着写真」からプレー写真をご覧になれます)。
試合前のアップで分かった“鎌田に求められたタスク”
4月14日、ヨーロッパリーグ準々決勝第2戦、カンプノウで行われたバルサ対フランクフルト戦をピッチサイドで撮影をしました。
第1戦は1得点ずつの引き分けでした。アウェイゴール方式を撤廃したUEFAのルール改定により――準決勝に勝ち進むのは、この試合に勝ったチームという明快なものでした。
敵地に乗り込んだフランクフルトの先発メンバーには、鎌田の名が。レンズ越しに撮影する、アップに出てきた際の表情は非常にリラックスしているように感じられました。
アップメニューを見ていると、鎌田にはゴール前に飛び込んでの決定機に絡むことが求められているのが分かりました。また、サブメンバーとなった長谷部は、芝の感触を確かめるなど、初めて訪れた世界有数のスタジアムの雰囲気を味わっているようでした。
カンプノウは通常アウェイチームの席を最上段に設置していますが、キックオフ30分前の段階で、1階席、2階席にまで白いユニホーム姿のたくさんのフランクフルトファンの姿が確認できました。
21時キックオフからわずか3分、バルサCBのエリック・ガルシアが、ボックス内でリンドストロームを引き倒し早くもPKを献上。ジェラール・ピケの不在が大きく響きました。
PKを10番コスティッチが冷静に蹴り込み、敵地で先制しました。そのPKの直前には、鎌田がリンドストロームに話しかける姿が見られました。またゴール後には、多くのドイツ人ファンが発煙筒を焚くなど、どちらのホームスタジアムなのか分からなくなるほどでした。
バルサの18歳ペドリに対する守備も……
この先制点によって攻撃に出るバルサ、守備組織を固めてからカウンターを狙うフランクフルトというゲームの構図がはっきりしました。
その中で鎌田はバルサ守備陣のライン間でボールを引き出し、スルーパスを狙うなどの効果的な働きを見せたことで、フランクフルトは防戦一方とはなりませんでした。