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フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
《独占インタビュー》引退・宮原知子24歳が明かすプロスケーターとしてのこれから「本格的なフラメンコで滑りたい」「医学にも興味」
posted2022/04/23 17:01
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Asami Enomoto
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宮原本人がお気に入りのプログラム
リストのピアノ曲「ため息」、「SAYURI」、「蝶々夫人」、「小雀に捧げる歌」そしてもちろんオペラの名曲「トスカ」など、ざっと思い浮かべるだけでも宮原が演じてきた心に残る美しいプログラムはたくさんある。
彼女自身は、お気に入りの作品はどれなのだろう。
「全部すごく好きなんですけど、やっぱり『トスカ』は最後のシーズンのプログラムだったし2年連続で使ったので、他のプログラムよりも滑り込んだというか、身体にしみついた感じがして、印象に残っています。オリンピックのプログラム(SAYURI、蝶々夫人)もすごく好きなんですけど、あとは(2011/2012年シーズンの)マザーグースの組曲も結構好きです」
「ジャンプのために何かをはぶくことはしたくなかった」
様々な振付師の作品を滑ってきたが、特にローリー・ニコルのプログラムはシニアに上がってから8年間連続して滑ってきた。
「なるべくプログラムとして完成度の高いものをしたいという気持ちでいたので、ジャンプのために何かをはぶくということはしたくなかった。ローリー先生が思いついた振付、こういうのやってみてと提案してくださったものはなるべく実行して、ステップからのジャンプが難しくても、練習したらできるかなと自分の中で思いながらやっていました」
トランジションの細やかさなどでISUジャッジたちから高い評価を受けているニコルの作品は、誰もがこなせるわけではない。
「プログラムの曲と振付を見ていて面白い、奥行きのある、そんなスケートが完全に出来ているとは思わないんですけど……。したいという気持ちがあるだけでも、そういうふうに見えてくるかなと思っているので、あきらめずに最後まで、完成するまでやりたいなと思いながら、振付の練習をしていました」
オリンピックへの思い「行って良かったな」
2017/2018年シーズンは、疲労骨折を乗り越えて全日本選手権で迫真の演技を見せて4度目のタイトルをもぎ取った。
初挑戦した平昌オリンピックでは表彰台こそ逃したものの、堂々の4位入賞。彼女にとって、オリンピックの舞台はどのような体験だったのか。
「やっぱり行ってみないと感じられないものが多くあって、他の試合と何が違うかと言われると、本当に6分(ウォームアップ)して試合するというのは変わらないんですけど、選手村とか、日本代表として責任を感じながら滑るということ。そういう要素が重なって特別感が出る。行って良かったなと思います」
北京オリンピックは出場が叶わなかったが、映像で見たのだろうか。