「練習などと重なった時は全部は見れなかったんですけど……」と前置きして、宮原はこう続けた。

「みんなオリンピックに向けて、本当に全てを捧げてやってきたんだなというのを一人一人から感じて……これまで一緒に試合に出た選手、海外の選手も含めて、ほとんどみんな知ってる選手でしたが、その選手たちのオリンピックへの気持ちが伝わってきて。みんなを心から応援していました」

　自ら全てをスケートに捧げてきた宮原だからこそ、他の選手たちの思いがわかるのだろう。

平昌五輪では堂々の4位入賞。「行って良かったです」と振り返った　©JMPA

後輩たちに「忘れないでほしい」と語ったこと

　北京で銅メダルを手にした坂本花織は、モンペリエ世界選手権で宮原の引退を知り、こうコメントした。

「知子ちゃんがいてくれたからこそ、自分がこうやって今頑張れているんだなって、すごく感じます。だから本当に感謝しています」

　宮原はそんな後輩に、こうメッセージを返した。

「かおちゃんは自分のスケートが体に染みついていて、不安要素が私には全くないように見える。そういう勢いのあるスピード感のある滑りをこのまま続けて、頑張って欲しいです」

　これまで自分が体験したことを元に、後輩たちに伝えたいことはあるだろうか。

「好きでみんなスケートをはじめて走り続けていると思うので、もちろん良い結果を出すためにはきつい練習が必要なんですけど、スケートの良さとか、ちょっとでもいいからスケートの楽しさを忘れないようにして、頑張って欲しいです」

©Asami Enomoto

プロとして滑ってみたい「本格的なフラメンコ系の曲」

　これからアイスショーなどで、プロとしての活動を開始する。競技スケートとはまた違った世界で、どんな作品を見せたいのだろう。

「試合ではできないようなジャンルの……今はボーカルありなので（競技でも）色々できるとは思うんですけど、やっぱりエキジビションならでは、というのがあると思う。アイスショーでなければできないような演技をしてみたい。」

　具体的な音楽やキャラクターなど考えているものはあるのだろうか？

「今一つやりたいと思っているのは、本格的なフラメンコ系の曲で滑ってみたいということです。ハビエル（・フェルナンデス）とかステファン（・ランビエル）が、カスタネットと女性の声ではじまるフラメンコをやっていたのを覚えていたので、今回こういう機会にチャレンジできたらと思います」

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